坂本龍馬のリーダーシップ。龍馬に学ぶリーダーのマインド

書籍概要

タイトル

坂本龍馬のリーダーシップ。龍馬に学ぶリーダーのマインド10分で読めるシリーズ

著者名

MBビジネス研究班

発売日

2014/09/07

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概要

幕末。歴史を変えた英雄、坂本龍馬。本書では、龍馬からリーダーシップを学びます。彼がリーダーシップを発揮した場面を振り返りながら、現代のビジネスシーンで、どのように利用できるのか、応用できるのかを考えていきます。時代が変わっても、リーダーシップの本質は変わりません。坂本龍馬や幕末の歴史が好きなビジネスパーソンには楽しんでいただけると思います。是非、龍馬を題材にリーダーシップを学んでください。あなたが龍馬のようなリーダーになるために。

一冊まるごと全文公開中!

まえがき

幕末の英雄、坂本龍馬。

身分の低い武士から、脱藩までして、後ろ盾もなくなり、それでも、大仕事を成し遂げた幕末の快男児。

幕末、西郷隆盛、桂小五郎は、それぞれ薩摩藩と長州藩を率いて大仕事をやってのけた。彼らには、率いるべき藩士がいた。

一方、龍馬は、藩を率いるような立場ではない。ただの一人の男であった。それでも薩長同盟と大政奉還という、同時代の誰もができなかった偉業を成し遂げる。そこには、坂本龍馬という人の、特別なリーダーシップがあった。

薩長同盟を成し遂げたとき、龍馬は西郷や桂を引きつけるリーダーであったと言える。もちろん彼らが、手をついて龍馬を主と仰いだわけではない。上司、部下の関係とも違う。あくまで対等な同志だ。しかし、真のリーダーシップは、対等な関係でこそ色濃く映しだされる。

本書は、龍馬からリーダーシップを学ぼうというものだ。
龍馬の数ある魅力の中から、今回は特に、リーダーとしての彼に注目したい。彼は、なぜ、人を引きつけるのか。それも英雄ばかりを。

龍馬からの学びを通して現代社会でも通用する普遍的なリーダーシップを考えていきたい。また、それが、ビジネスシーンで、あなたと部下との関係において役立つと幸いだ。

 

 

権威がなかった

龍馬は土佐の下級武士の出身で、土佐藩内では人の上に立てるような立場になかった。だから、基本的に同志はいても、部下がいなかった。もちろん、後には海援隊を設立して部下を持つのだが、それ自体がリーダーシップを持っていたからできたことで、立場で与えられたリーダーシップでないことがわかる。

また、龍馬は、小さな頃から、できの悪い子どもで寺小屋の先生が、面倒を見きれないと、龍馬を追い出したことがあるほどだった。四六時中鼻水を垂らしているような子どもであった。
小さな頃からガキ大将で自然と、リーダーシップを培ったというわけでもない。

土佐には、龍馬の兄貴分である武市半平太がいた。彼は後に、西郷や桂と並び称される土佐藩のリーダー格になるのだが、藩内政治闘争に巻き込まれて殺されてしまう。
彼は、龍馬とは違った意味でのリーダーシップを持っていた。土佐には上士と郷士という、異なる身分の武士階級が存在している。
上士が偉い。郷士は、簡単に言えば上士の召し使いのようなもので、いいように利用される最下層の武士だ。龍馬も半平太も、この郷士だ。

土佐で郷士は出世できない。土佐にいては何もできないと、龍馬は考えて脱藩したのだが、半平太は違った。半平太は、なんとか、土佐で出世しようとした。郷士の若者を集めて剣を教えて、先生と慕われた。半平太は、公正で立派な人物であったから多くの郷士が従った。しかし結局は、その勢力が邪魔になった上士たちに殺されてしまった。

殺されたとはいえ、身分の低い半平太が土佐藩の中で一大勢力を築いたのは、尋常ではないことだった。彼のリーダーシップは至極まともなものだった。藩内で差別され、誇りを傷つけられている郷士たちの上に立ち、郷士の代表として担がれた。常に威厳があり、その中に優しさもあり、それで好かれた。龍馬のリーダーシップとは少し違う。

まず、龍馬は、その郷士という立場すら捨てて脱藩してしまった。土佐藩を捨てたのだ。だから、龍馬に従うものはいても数人であった。それでも龍馬についてくるものがいたのは、いくつか理由があるだろう。
一つは剣の腕だ。

龍馬は二度の江戸留学で、北辰一刀流免許皆伝を授かった。この時代、剣の腕が高いということは、それだけで尊敬に値した。やはり、太平の時代でも強さこそが、武士にとって重要だった。
これは半平太や桂小五郎も一緒で、彼らも剣豪であった。

そしてもう一つの理由がある。
それは龍馬と一緒にいると居心地がいいということだ。
龍馬は、まず人間が好きだ。人間というのは鏡のようなもので、こちらが好きになれば、向こうも好きになる。男と女の恋愛では必ずしもそうはいかないが、それにしても、好かれれば悪い気がしないのが人間だ。龍馬は、少し見どころのある人材をすぐに好きになった。だから人にすぐに好かれた。

態度としては、常ににこやかで相手に興味を持ち、冗談を言い楽しませようとする。

龍馬のリーダーシップの根底には4つの要素がある。

土佐藩を抜けたときに龍馬に備わっていたのは、2つだった。

剣の腕と人好きする性格だ。

英雄を引きつける男

龍馬は、剣の達人だったが、その活躍が歴史に影響を及ぼしたことは一度もない。ただ、免許皆伝という権威と、剣術で培った度胸は役に立った。彼は、薩長を渡り歩くようになってから、新選組などの幕府戦力に命を狙われることになる。
しかし、倒幕活動をする上では、コソコソと隠れていられない。龍馬は、命の危険も顧みずに京都の町を駆け回っていた。この度胸が、まず、英雄たちに、龍馬の胆力を認めさせることになる。特に薩摩人である西郷隆盛は、逃げ隠れするような、男らしくない行為は好まず、堂々としている龍馬に好感を持っていただろう。

こういった意味で、剣の達人という要素は、度胸に変わっていく。

ようするに龍馬は度胸と人懐こさを持っている。
そして、脱藩してからの龍馬が、持ったものがある。それは、ビジョンだ。
しかもひときわ気宇の大きなビジョンだ。

当時の、日本人はまだ江戸時代の鎖国の中にいた。だから、日本人という意識もなく、それぞれの藩を国と呼び、日本全土こそが、世界そのものだった。海の外の世界は、現実的には存在していても意識の外にあった。
ようするに、ほとんどの有力者は、薩摩がどうするか、長州がどうするかという、自分の藩の運営で頭がいっぱいで、日本が世界の中で、どう生きていくべきか考えることができなかった。

その中で、坂本龍馬は、日本が世界の荒波を渡っていくプランを持っていた。この時代で龍馬だけが持っていたというわけではない。勝海舟も福沢諭吉も、暗殺された佐久間象山も、安政の大獄で死んだ吉田松陰も持っていた。しかし、そのビジョンを持ちながら、度胸を持ち、人に好かれる性格を持っていたのは龍馬だけだった。先ほど上げた人物の中では、吉田松陰が近いが、松蔭は幕末の初期で、この世から退場してしまってもういない。幕府と、薩長の決戦という、時期においては、その役割を担えるのは龍馬しかいなかった。

龍馬がビジョンだけを掲げるようだったら、西郷はそこまで龍馬には引かれなかったであろう。やはり龍馬の度胸と人懐こさがあり、そこに世界を覆うような大きな気宇が存在していて、それで引きこまれたのだ。

薩長同盟

薩摩の西郷隆盛と、長州の桂小五郎が同盟を結んだ。その立役者が龍馬であることは、あまりに有名だ。

当時、薩長は憎しみあっていた。京都で力を付けていた長州藩を薩摩藩が追い落とすような形になっていたからだ。長州藩は、幕府以上に薩摩を憎んでいたのだが、状況は変わり、まさに今、薩摩と長州は手を結ぶべきだった。

しかし、長州の薩摩に対する敵意は強い。それを龍馬は、説得した。長州藩は、薩摩と結ばなければ滅びる状況だったから説得に応じた。長州ほどは切迫していないが薩摩も危機的未来が予想できたため長州と結んだ。

もちろん、龍馬は、薩長同盟をリーダーシップだけでまとめたわけではない。しかし、明らかに、薩長同盟というプロジェクトのリーダーは龍馬であったと言える。なぜ彼がまとめることができたかを考えると、リーダーとして龍馬が発揮した4つ目の資質がわかる。

度胸、
人好きする性格
ビジョン

この3つに合わせて

信頼だ。

京都で白刃の下くぐり抜けた男同士の信頼があった。
龍馬の言うことだから、長州のリーダー桂は薩摩が同盟を結ぶ可能性があると考えられたし、薩摩のリーダー西郷も龍馬なら長州の恨みをかわせると考えた。

こうして薩長同盟は見事に成立する。

現代のリーダーの場合

龍馬がリーダーシップを発揮できた資質は、

度胸、
人好きする性格、
ビジョン、
信頼

この4つだ。

これは現代のリーダーも十分学ぶ価値のある資質だ。
命を狙われることは、現代ビジネスの世界ではありえないから、度胸は関係ないと思うかもしれないが、同じように現代のリーダーにとっても必要な資質であると言えるだろう。
この度胸というのは、会社の中での自分の進退をかける潔さと考えられる。例えば、部下がミスをしたときに、そのミスの責任をとって自分が職場を去ることができるかということだ。
「イザというときは俺が守ってやる」そういった、男らしさはリーダーとして必要だ。会社を辞めることによって責任が取れるわけでない部分もあるが、部下だけを辞めさせるような卑怯さがあれば、4つ目の資質である信頼がグラつく。

こういった度胸に裏付けされた、信頼があり、それにより部下、同僚、上司に対してリーダーシップを発揮することができる。

さらには、人好きする性格があればなおさらいい。部下に興味を持ち、一緒に働くことを楽しむ。部下の才能を愛し、気質を尊重する。更に言えば、同じような人付き合いを、同僚や上司にも行うのだから好かれないわけがない。
世間は、自分の鏡だ。こちらが好きであれば、向こうも好いてくれる。

しかしながら、度胸があり、信頼があり、人付きする性格でも、ビジョンがなければ大仕事はできない。

それぞれの会社には、それぞれのビジョンがあるだろうが、やはり何かを成す人は自分なりのビジョンを持っているものだ。
もちろん、龍馬のように大きなビジョンを持つには、それなりの覚悟が必要だ。大きなビジョンは、周囲の普通の人たちには理解不能で不気味なもので、一種の道化のように感じられる
坂本龍馬が西郷隆盛をこのように評した。

「西郷さんは、鐘のような男だ。小さく突けば小さく鳴る。大きく突けば大きく鳴る」

西郷のような、大きな器があったからこそ、龍馬の大風呂敷に引かれたのだ。ようするに、龍馬の大風呂敷が理解できる大物は、龍馬に引かれた。龍馬が英雄に好かれた理由だ。
だから、現代社会のリーダーが、急に大きなビジョンを広げたところで、なかなか理解してもらえない。相手に理解するだけの器がなければ、どうしようもない。

だからか、現代の優秀なリーダーたちは、優秀な課長や部長だ。彼らは、その組織の中で理解を得られるギリギリの大きさの風呂敷を広げるように見える。そして、それは、実際に社会の中で生きていくには正しい。

しかし、意識しておきたい。
西郷隆盛のような、大器に出会ったときには、思い切って思うがままの風呂敷を広げることを。

課長や部長だったら

もしあなたが課長や部長だったら、やはり自社の社長にこそ、自分の大風呂敷を広げてみよう。社長は西郷隆盛ほどの器があるのか。強く叩けば強く鳴るのか。それを確かめるのだ。
もちろん、そこは龍馬と一緒で、ビジョンの前に、3つの資質が必要だ。

まず、度胸があること、次に信頼があること、そして人を好きであることだ。また、実際に会社の中で社長に直訴するには、目覚ましい実績が必要だろう。それがなければ、口だけと思われてしまう。これは剣の腕のようなもので、免許皆伝レベルの業務的実績がほしい。ようするに社内で数人しか達成者がいないような、驚異的な実績だ。
それを引っさげて、社長という鐘を叩いてみる。

小さくしか鳴らないのか、それとも大きく鳴るか。

もしあなたが社長だったら

あなた自身が社長だとしたら、大風呂敷だろうが、なんだろうが掲げてしまえばいい。そもそも会社が継続できているだけで、免許皆伝のような実績だし、それに参加したい人たちが集まるだろう。

あとがき

本書では、前半部分で、龍馬がどういったリーダーシップを発揮して活躍したのかを紹介した。後半部分では、それを現代ビジネスに当てはめたら、どうなるかという考察をした。
しかし、龍馬のリーダーシップから、何を学ぶか、それをどのように応用するかは、それぞれの個人の自由だ。だから、本書での説明は一つの参考として自分なりに、複合的に考えていただきたい。
それは、それぞれの立場や年齢によっても変わってくるし、もし、あなたが外国で働いているとしたら、余程、変わることだろう。
ただ、一つ言えることは、龍馬が発揮したリーダーシップは普遍的だということだ。

度胸、人好き、ビジョン、信頼。

どこの世界でも、この4つの資質を持ってリーダー業に挑めば間違いない。

さて、龍馬は大政奉還を成し遂げて暗殺されてしまう。
彼は海に出たかった。世界を舞台にビジネスをしたかった。おそらく、浦賀沖で黒船を見てからずっと願っていたのだろう。日本を変えて、ようやくそれが実現する。ようやくできる。そのときに殺されてしまった。

龍馬は、「残念だった」と言い残して死んでいる。

この言葉は、いろいろと解釈ができるが、一つには、これから世界の海に打って出るのに、やっとそこまで来たのに、あと少しなのに残念だという意味があっただろう。

そう考えると現代社会に生きる我々は幸せだ。その気になれば世界の多くの国に行ける。貿易ビジネスだって、小規模でよければ誰だってできる。龍馬が見れば、夢のような時代だ。

我々は龍馬が生きたくても生きられなかった国際社会の中にいる。この日常を価値あるものにするのも、無為に過ごすのも自分次第だ。

ただ一つ。
天国から龍馬の声が聞こえてくるようだ。
「おまんら、うらやましいぜよ」

それでは、本書はここで終わりだ。
読者の皆様が、龍馬からリーダーシップを学び、仕事に活かして、龍馬に羨ましがられるような、大仕事を成し遂げることを祈っている。

読了、ありがとうございました。

 

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