半分無料公開中!ビジネス文書がスラスラ書ける校正力の教科書。文章力を磨くには、校正力を身につけろ!

ビジネス文書がスラスラ書ける校正力の教科書。文章力を磨くには、校正力を身につけろ!
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まえがき

文章にミスが多い。
ヌケやモレをよく指摘される。
ビジネス文書をスラスラ書けず、仕上げるまでの効率が悪い。
――そんなあなたに必要なのは、「校正力」だ。実は、文章力を磨くためには校正力を身につけることが近道なのだ。

印刷・出版の工程のひとつである校正は、ニッチな職業であり専門性も高い。本書が紹介するのは、職業としての「校正」についてではない。校正者が用いる技能やテクニックからエッセンスを学んで、ビジネス文書やメールに応用するという「校正力」である。
ビジネスにおける校正力とは、ミスやヌケ・モレを見抜く「目」と、危機感の「レーダー」を鍛えることに他ならない。また、校正力を身につけていれば、ビジネス文書を見直す時だけでなく書く段階から役に立つ。どこにミスが起こりやすいか、ヌケ・モレが生じやすいかを知っていれば、予め気をつけて書けるようになるからだ。より良い表現やシンプルな表現を常に考えることで、効率よく分かりやすい文書を仕上げられるようにもなる。
本書では、ビジネスに役立つ6つの「校正力」をご紹介する。ビジネス文書の質を高め、スラスラ書けるようになるために、ぜひ身につけて欲しい。

 

校正とは何か――ビジネスに「校正力」を役立てる

そもそも校正とは、印刷・出版の工程のひとつであり、ページの形に組版された校正紙(ゲラ)を原稿や図版・イラストなどと見比べながらチェックすることである。本書では便宜上、校正という仕事をする人々のことを校正者と呼ぶ。
一般的に、校正者が行うチェックには二段階のレベルがある。まず、校正紙(ゲラ)と元の原稿などを「引き合わせ」ながら、誤字・脱字や誤植、語句の統一や用法を確認する。次に、内容にまで踏み込んで「素読み」をし、文章の整合性や事実関係のチェックをする。印刷物によっては、色味や図版のチェックが行われることもある。校正者と一口に言っても得意分野はさまざまで、法律や医療など専門分野に長けた校正者や、広告や雑誌などのデザインや色味のチェックに長けた校正者などもいる。
校正という仕事は、印刷・出版業界において必要不可欠なものである一方、非常にニッチな職業であることに違いはない。ではなぜ、この「校正」という技能がビジネスに役立つのだろうか。

世の中のビジネス文章には、「ミスの種」が多く含まれている。
ビジネス文書やメールを書く時、以前作成したデータを再利用することが多いだろう。また、他の人が作成したデータや、インターネット上のデータを引用・転載したりすることもあるだろう。データの流用は手軽で確実に思えるかもしれない。しかし、「校正」という一手間を惜しむと、日付や宛名、重要な数値といった項目の差し替えモレが起こりうる。特に、数字の打ち間違いは多大な損害の元になりうるので慎重になるべきだ。
明らかなミスだけではない。分かりにくい文章は、誤解を生んだりトラブルを引き起こしたりする。読みにくく不親切な文書は、読み手にストレスを感じさせ人間関係にも影響しかねない。これらを防ぐためには、「校正力」が必要なのだ。
ビジネスにおける校正力とは、書類や成果物に対する「目」と「レーダー」を鍛えることだ。誤字・脱字や数字ミス、重要事項のヌケやモレを見抜く「目」と、あいまいな表現に対する危機感の「レーダー」を鍛えることに他ならないのだ。
校正力を身につけることで、日々の書類のミスやヌケ・モレを減らし、効率を上げることができる。誤字脱字だけでなく、致命的なミスに対する危機感レーダーが鋭くなり、文書の精度が格段に上がる。さらに、自分が書いたものに対しても他人が作ったものに対しても、一歩離れて見る客観的な視野を手に入れられる。企画書や広告においてはより効果的な言葉・見せ方を追求し、仕事の質を上げることだってできるだろう。

校正力がいかに重要か、お分かりいただけただろうか。それではさっそく、ビジネスに役立つ校正力を6つご紹介していこう。しっかりと身につけて欲しい。

 

校正力1、フォーマットの流用やコピー&ペーストには注意する

社内でフォーマットが用意されている文書も多いだろう。例えば、納品書や明細書、請求書などが挙げられる。規定のフォーマットがあれば、ゼロから文書を書き起こす手間はなくなる。しかし、文字や数字を正確に差し替えなければ、相手先に失礼をしたり、思わぬトラブルが起こったりする。特に、空欄となっている元データから作成するのではなく、前回使用したデータを参考にする場合は注意が必要だ。「差し替えればよいだけ」の箇所が、きちんと正確に差し替えられているかをチェックしよう。

納品書、明細書、請求書などで差し替えミスが起こりやすいのは次の箇所だ。
・年月日 ……特に、年や年度が変わった時は注意すること。
・宛名 ……相手先の社名や個人名を間違いなく記載すること。誤字・脱字は失礼に当たる。自信がなければ、名刺を再確認しよう。また、複数の書類を一度に作成する時は宛名間違いに注意しよう。個人情報を他の人に送ってしまうことは重大なトラブルとなる。
・品名、金額など ……注文内容や請求内容を確認しながら記入すること。品名を入力すれば金額が表示されるようなシステムを組んでおくとミスがない。また、商品や送料・手数料などの合計金額も間違いなく計算すること。エクセルの自動計算は、数式の誤りや引用範囲の設定ミスがあると正確に反映されないこともある。必ず電卓で検算する習慣をつけよう。

文字入力の際に便利な「コピー&ペースト」も、実はミスが起こりやすい。引用する箇所を選択する際に、一文字欠けたり不要な文字まで拾ってしまったりすることがある。また、挿入する箇所を間違えてしまうと文章の意味が通らなくなることもある。
コピー&ペーストで起こるミスを防ぐには、必ず一度は文書の最初から最後まで目を通すことだ。最低限の見直しで防げるので、コピー&ペーストを使用した場合は面倒がらずに必ず通しでチェックしよう。

校正者は、「引き合わせ」を行うことでこれらのミスを見抜く。引き合わせとは、原稿と校正紙(ゲラ)を一文字ずつ突き合わせて、間違いがないか確認することだ。文章としてではなく、ただの文字情報として見ることで、思い込みによるヌケモレを防ぐ。
例えば、次の2つの文章を引き合わせてみよう。間違い探しのようなものだ。

●正
「毎度ご愛顧いただいております田中様へ、特別なお知らせです。おかげさまで、弊社は創業5周年を迎えることができました。創業感謝祭として、2015年11月7日から14日まで記念セールを実施いたします」
●誤
「毎度ご愛顧いただいております田中様へ、特別なお知らせです。おかげさまで、弊社は操業5周年を迎えることができました。創業感謝祭りとして、2015年1月7日から14日まで記念セールを実施いたします」

3箇所の誤りを見抜けただろうか? 1つ目は、「創業」と「操業」の誤変換だ。パソコンの自動変換や予測変換を過信しすぎてはいけない。2つ目は、「11月7日」が「1月7日」になっている。同じ数字が続く箇所は、特に打ち間違いが起こりやすい。3つ目は、「感謝祭」とあるべきところが「感謝祭り」となっている。入力時に、感謝+祭りと入力して、「り」を削除し忘れたのだろう。いずれも、パソコンでの文字入力で起こりやすい誤りだ。
ビジネス文書やメールにおいては突き合わるための原稿はない。しかし、工夫することはできる。例えば、発注情報と納品書、請求書など同じ情報が載るものを突き合わせてみたり、自分なりのチェック項目表を作ったりするのも良い。「ミスはどんな時にも起こりうるもの」という前提が、厳しい目を育てるのだ。

 

校正力2、数字と単位に注目する

あるチラシ広告で、二十万円近くする商品の価格を桁をひとつ少なく二万円と記載してしまったために、販売会社が大損をしてしまった……というエピソードがある。こうして漢数字で表記すると間違いようがないように思えるが、「200,000円」と「20,000円」のように0がたくさん続けば、入力する時もチェックする時も見落としやすいのも分かる。
メールで打ち合わせの日程をすりあわせる際、「12/3の16時に伺います」と書くべきところを、「1/23の6時に伺います」と書いてしまったら……
資材を発注する際、「部品Aを50個、部品Bを7個お願いします」と書くべきところを、「部品Aを7個、部品Bを50個お願いします」と逆に書いてしまったら……
このように、数字の誤りは致命的なミスを引きこしやすい。ビジネス文書を書く段階でも見直す時も、数字が記載されている箇所はダブルチェック・トリプルチェックをするくらいでちょうど良いのだ。

数字には単位がつきものだ。金額を示す「円」と「¥」は、ひとつの書類の中では統一しておこう。また、度量衡を示す単位も、間違えたり省略したりすると、トラブルの元になる。
例「この赤いラインを、あと3mm太くしてください」
例「この赤いラインを、あと3cm太くしてください」
指示が誤って伝わると、結果がいかに変わってしまうか想像できるだろう。文書(メール)だけではなく、電話や対面による口頭での確認がいかに大事かもお分かりいただけるはずだ。
とはいえ、数字は絶対的かつ客観的な情報なので、誤りなく伝えることさえできれば正確に結果が反映される。「この赤いラインを、あともう少し太くしてください」という相対的かつ主観的な表現よりも確実に意図が伝わるのだ。
単位で特に気をつけたいのは、金額を丸めて表示するときだ。ビジネスでは、非常に大きな金額が動く。そのため、予算書や見積書、企画書などには、場合によっては数百万円から数千万円の金額が記載されることもあるだろう。金額だけでなく、マーケティングや統計の際には膨大な人数や商品の数などが書かれることもある。
これらの場合、単位を明確に記しておく必要がある。何桁以上で記すかは、用途や社内のルールによっても異なるが、ひとつの書類ではできるだけ同じ基準で記すほうが分かりやすい。
「1,234,567円」
「1,234千円」
「1.2百万円」
「123万円」

数字や単位のミスを防ぐには、声に出して読み上げながら確認することだ。校正者も、必要に応じて声に出して仕事を進める。「ミリメートル」と「センチメートル」、と声に出して読めば間違うことはない。0が続く場合でも0の数を「一、十、百、千……」と数えていけば良い。
また、ミスを防ぐためにはミスが起こる可能性のある表現自体を変えてしまうことだ。「mm」と書かず「ミリメートル」とあらかじめ書く。0が続いて誤解を生まぬよう、丸めて表記してしまう。危機察知能力を磨き、より良い表現を提案することも大切なのだ。

 

校正力3、用語や表記を統一する

あなたが書いた文書を一度読み返してみて欲しい。用語や表記はすべて統一されているだろうか? 例えば、メールの宛先で「○○様」と「○○さま」が混在してはいないだろうか。議事録を書く際、メモに使った略語をそのまま反映させて、異なる表記が混在してはいないだろうか?
用語や表記にブレがある文書は、読みにくいし誤解を生む恐れがある。そのため、「用語や表記を統一する」という視点での校正が非常に重要なのだ。

混在しやすい用語の例をいくつか挙げてみよう。
・○○様/○○さま ……どちらかに統一が必要。メールなら、相手の表現に合わせるのも良い。
・お客様/顧客 ……誰に対して書かれた文書なのかによっても異なるので、ただ統一すれば良いわけではない点に注意。また、ユーザーやカスタマーといったカタカナ語を使用する場合も、文書全体で統一すること。
・会議/ミーティング/MTG ……アルファベットの略語は、入力する手間が少なく分かりやすいが、知らない人には意味が伝わりにくい。社内や部署内では通用している場合でも、外部に向けては使わないこと。


以上です。

本書のこのあとの内容は、「混在しやすい用語の例をいくつか挙げてみよう。」の続き。

校正力4、見出しだけを追ってみる

校正力5、誤解を生まない文章にする

校正力6、文章量を削ってシンプルに表現する


続きはこちらから。

 


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