携帯・スマホ(スマートフォン)を手放せない人たち。スマホ依存症の原因、治療法、対策を臨床心理士が解説。半分無料公開中!

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携帯・スマホ(スマートフォン)を手放せない人たち。スマホ依存症の原因、治療法、対策を臨床心理士が解説。

 

まえがき

つい20年ほど前までは今のように、携帯電話を持つことが当たり前ではなく、待ち合わせ一つとっても非常に大変でした。今では、高校生くらいになればほぼ全員がスマートフォンを持っているため、ただ単に通信手段というわけではなくなってきました。スマートフォンを持っていないことによる仲間外れ感であったり、ガラケー(従来型の携帯電話)だと恥ずかしくてみんなの前で出せなくなったり等、ブランド的な側面や社会的な側面がスマートフォンには付加されてきています。
大人であっても、もはや連絡手段ということだけでなく、スケジュール管理や書類作成などもスマートフォンやタブレットで行う人がいます。もはや生活必需品となった携帯電話ですが、便利な側面だけではありません。
とあるスマートフォンの開発者は「自分の子供にはスマートフォンを持たせない」と言い切ったほど、その闇は深いのです。
その一つに、携帯・スマホが手放せない人たちが増えているという現象があります。ある人はゲームをずっとやっていますし、ある人は特に目的もなくネットサーフィンをしているということもあります。そして、メッセージをやり取りするアプリなどを使って常にメッセージの交換をしている人もいますね。また、SNS等をつかって自分の近況をどんどんアップする人もいます。

この本は、携帯やスマホが手放せない人は心理的な面から見つめなおし、困っているようであればどのように上手く付き合えるようになるかを書いた本です。
もし携帯電話やスマホを失くしたり、1週間以上使えない状態になったりすることを想像して不安になるようであれば、ぜひこの本を一読してほしいと思っています。
また、周りにずっと携帯やスマホばかりをいじっている人がいて心配ならば、解決の糸口が本書にはのっているかもしれません。自分自身ではなく友人や家族、恋人がそのような状態の方にもぜひ一読することをお勧めします。

本書に登場する事例は、全て筆者が専門書をもとに作りあげたフィクションの事例です。

 

中毒・乱用・依存症

薬物依存やアルコール依存の治療現場では良く「中毒・乱用・依存症」という言葉が使われます。一般的にはアル中というと、アルコール依存症を指すようなのですが、専門的にはアルコール中毒というのはアルコール依存症のことではありません。中毒とは、物質を摂取してその結果、精神や身体に異常が出た場合を中毒といいます。極端なことを言ってしまえば、お酒を飲んで酔っ払ったら、みんなアルコール中毒なのです。なぜならば、お酒を摂取することで判断力の低下やまっすぐ歩けなくなくなるなどの認知機能の異常が起きているからです。一方依存症とは、それなくしては生活が成り立たないほどに依存している状態になっていることです。依存には二種類あり、身体的依存と心理的依存があります。身体的依存とは、物質を摂取しすぎると体は物質が入った状態が正常な状態であると錯覚し、物質が体内から切れてしまうと不快な症状が出るようになり、その不快な症状を消すために再度物質を摂取しなければならないような状態です。薬物中毒で説明すると、薬物が体内から切れると異常な発汗や焦燥感、悪心などがでます。これらの症状は再び薬物を摂取することにより消えるので、再度薬物を摂取してしまうというのが身体依存です。
一方心理的依存とは、やっているときのことを思い出して、再度その状態になりたいと強く望んでいる状態です。ギャンブル依存症などでは、身体依存はないので心理的な依存のみで成り立っているといえます。
最後に乱用とは、なにかの物質を社会的に許されない量摂取することです。アルコールなどは一杯飲んだくらいでは乱用ではありませんが、飲み過ぎて次の日の仕事を休んだりすれば乱用と言えるでしょう。
薬物などは一回やっただけで乱用となります。「私はたまにしか大麻を吸わないから乱用じゃないよ」と言っている人がいたらそれは誤りです。

なぜ、このようなことを説明したかというと、スマホが手放せないという現象もこれで説明できるからなのです。

 

スマホが手放せないのはケータイ依存症なのか

ここまで話をすると、多くの人が疑問に思うのは「スマホが手放せないというのはケータイ依存症なのか」ということです。
スマートフォンは電子機器ですので、中毒性はありません。要するに、スマートフォンを使ったからと言って精神や身体に異常が出るものではないのです。それでは、依存性について考えてみましょう。物質ではないので身体依存はありません。なので、心理的な依存が発生するかどうかという点で話をしなければなりません。まえがきで、ケータイが一週間以上使えない状態を想像してみてくださいという話をしました。それは、ケータイがなくなった状態で以前のようなケータイがある状態に戻りたいと強く思ってしまうと依存状態なのです。
ギャンブルのように、特定の場所に行かないとできないものでも、セックス依存のように相手がいないとできないものでもありません。しかも薬物依存のように社会的に逸脱している行為でもないので非常にわかりづらいのですが、スマホが手放せないというのも実は依存症なのです。

 

何に依存しているのか

それでは、ケータイ依存症とはなにに依存しているのでしょうか。
ギャンブル依存症の場合は、自分の持金が増えるかどうかという、昂揚感に依存しているわけでパチンコ台その物や、サラブレッド自体に依存しているわけではないのです。「ああ、パチンコ台がないと不安だ、不安だからパチンコ台を枕元に置かないといけない」という状態にはならないのです。つまり、パチンコを行うことで得られる何かに依存しているということです。ケータイ依存症も同じことがいえます。スマホ事態に依存しているわけではなく、スマホを行うことで得られる何かに依存していることになるのです。
スマホを行うことで得られるものとはいったい何なのでしょうか。ゲームをやったり、メッセージを交換したり、SNSで自分の近況をアップすることで一体どのようなことが得られているのでしょうか。ケータイ依存症は「関係性への依存」と言われています。要するに他者とつながっているという、「つながっている感覚」に依存しているのです。
例えば、スマホで行うゲームは他人と競ったり協力したりすることを前提に作られています。つまり、つながっている感覚がないと不安に思って、つながっている感覚を得るためにまたスマホを取り出してしまうということなのです。
また、依存だけでなく、つながっていないと見捨てられてしまうんじゃないかという不安感からつながりを求めるということも考えられます。


以上、ここまでで半分終了です。

本書でこのあとに書かれているのは

・ケータイが手放せなくなったらどうすればいいの

・ストレスコーピング

・ストレスを自覚する

・正しいストレスコーピングを身に付けよう

となっております。

 


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