今すぐ使える文章術【保存版】文章力がない人必読! 元編集者の電子書籍作家がまとめたTipsで文章力を鍛える

文章力を鍛えたい! ライティングを極めたい!
……という人のために、参考書感覚で使える文章術の記事を書きました。
私、椥辻夕子は元編集者で、現在は育児をしながら執筆活動を続けています。「ゆとり社員ちゃん」シリーズをはじめとする電子書籍を60冊以上、世に送り出してきました。編集者時代には主に資格学習本を担当していたため、今でも「読みやすく分かりやすい文章とは何か」を常に考え続けています。
この記事では、あらゆる文章術本を読み漁り、編集や執筆の仕事を通して得た、文章を書く人のためのTips(ヒント、裏技、テクニック)を集めました。

Contents

1 一文を短くするためのTips

あらゆる文章術本が「一文は短く!」と主張するのには理由がある。
長い文章は読みにくい。読み手が飽きてしまう。一番伝えたいことも伝わりにくい。本題までが遠くなるからだ。さらに、長い文章は主語に対応する述語を見失いやすく、ねじれ文を生む原因にもなる。ライティングを生業とするなら、一文を短くすることを心掛けよう。
一文を短くするためのTipsを集めた。

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Tip1-1 「~で、」「~が、」で文章を区切れないか?

「~で、」や「~が、」は、文章をダラダラと続かせる原因だ。簡単に文章をつなげるので、つい使いたくなってしまう。あなたの書いた文章に多用されていないかチェックしてみよう。見つけにくい場合は、「~ので、」「~だが、」も含めて探してみるといい。

Tip1-2 述語の後の読点(、)のある場所で文章を区切れないか?

Tip1-1と同じく、述語の後の読点(、)も文章を区切れる可能性がある。文を言い切るのが苦手なために、読点(、)を使って長引かせてしまうのだ。

「新商品を試して、記事を書いて、ファイルを保存すると、動作性が良くなって、……」

特に、動詞を「~して、」「~すると、」のようにいくつも続けていないか注意しよう。

Tip1-3 句点(。)の数よりも、主張の数を少なくする

句点の数は、イコール文章の数。この場合、感嘆符(!や?)は句点と同じ役割だと考えよう。
文章の数が、文章全体で言いたいことつまり主張の数よりも少ないということは、一文につき主張が1つ以下ということになる。一文に複数の主張を盛り込まないことで、一文を短くすることができる。

Tip1-4 「~こと」「~もの」「~という」「~の方」をやめる

「~こと」「~もの」「~という」「~の方」は、文章をムダに長くしてしまう原因だ。
文章が下手な人は、箸休め的にこれらの表現を使ってしまう。一文を締めくくるまでに息切れしてしまって、つい「~こと」や「~もの」に甘えたくなってしまうのだ。ほかの表現に言い換えたり、削除したりして、スッキリとした表現を心がけよう。

Tip1-5 意味が重複していないか?

丁寧に書こうとするあまり、言葉の意味が重複してしまうことは多々ある。
「馬から落馬した」→「落馬した」のように、しつこい言い回しになっていないか。
「確認を行う」→「確認する」のように、不要な述語を重ねていないか。
疑いを持って読み返してみよう。

Tip1-6 単文・重文・複文

文には、「単文」「重文」「複文」という種類がある。
文の構造ごとに、一文を短くするための工夫を紹介しよう。

●単文
主語と述語がひとつずつのシンプルな文章。英文法でいうSV文型にあたる。
「私は走る」
これに目的語や修飾語が加わると、次のようになる。
「私は、遠くの公園まで一生懸命に走る」
主語と述語がひとつずつできちんと整合していれば、文意は揺らがない。ただし、修飾語が多すぎると、文章がだらだらと長くなるので注意しよう。

●重文
単文が対等な関係で結ばれている。SV+SVというイメージだ。
「私は走ったが、彼は歩いた」
これに目的語や修飾語が加わって長くなると、非常に分かりにくい文章になる。
「私は遠くの公園まで一生懸命に走ったが、彼はただ家の周りをぐるぐると歩いただけだ」
このような文章は、思い切って分割してしまおう。接続詞を使うことで、文章を短く、かつ分かりやすくすることができる。
「私は、遠くの公園まで一生懸命に走った。しかし、彼はただ家の周りをぐるぐると歩いただけだ」

●複文
主語と述語をもつ文節が複数組み合わさっている文章。SVの中にさらにSVが含まれる文型だ。
「私は、青くかがやく海が見える公園まで走った」
これを分かりやすくする方法は2つある。
ひとつは、語順を入れかえる方法。
「青くかがやく海が見える公園まで、私は走った」
もうとつは、指示語を使って文章を分割する方法だ。
「私は公園まで走った。そこからは、青くかがやく海が見える」

 

2 情報を正確に伝えるためのTips

論文・レポートであれWeb記事であれビジネス文書であれ、
文章は誤解を生まず、分かりやすいものでなければならない。
情報を正確に伝える文章を書くためのTipsを集めた。

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Tip2-1 「の」に甘えない

「の」という助詞はとても便利だ。そのため、気を抜くと「の」が連続して読みにくい文章になってしまう。一文を短くしようとして「の」に甘えるのではなく、簡潔かつ丁寧に説明しよう。
●所有・所属を意味する場合→「~における」「~がもつ」など
●場所を意味する場合→「~にある」など
●対象を意味する場合→「~についての」「~に関する」など
言い換えるだけでなく、省略したり読点を使って区切ったりするのも良いだろう。

Tip2-2 指示語を多用しない

同じ言葉が続いてもいいから、指示語をむやみに多用しない。
前の文章を受ける「それは」を削除する。
この2点を意識するだけで指示語の登場回数が減って読みやすくなる。

ただし、極端に指示語を嫌わないでほしい。
適切に使うことで一文を短く、読みやすくすることもできる。
指示語を使う場合は、次の2点に気を付けるとよい。
●指し示す対象と指示語をなるべく近くする
●一文に複数の指示語を使わない

Tip2-3 主語と述語を対応させる

主語を省略すると、主語と述語の不整合が起こりやすくなる。前後の文脈や読み手との関係性によっては、省略しても伝わるのかもしれない。しかし、より分かりやすい文章を書くためには、省略した主語を意識して述語を対応させよう。
また、一文に主語と述語がいくつも含まれると、文章は必然的に長くなり、文章が長いと主語と述語の不整合が起こりやすくなる。
主語と述語を対応させるためには、声に出して読むのが効果的だ。時間があれば、主語とそれに対応する述語にマーカーで線を引いてみるのもよい。

Tip2-4 数字を使って具体的に表現する

「たくさん」や「少しの」といった量を表す表現は、人によって受け取り方が異なる。「7割」「半数以上」「5人に1人」のように数字を使って表現した方が、誤解なく伝えることができる。
特に、ビジネスメールやビジネス文書では日付や時間、価格や人数などは具体的な数字で示すほうが良い。例えばメールに「明日」と書いてあっても、読むのが一日遅れたら今日か明日か揺らいでしまう。揺らぎをなくすためには、何月何日、と明示すべきだ。

Tip2-5 ら抜き言葉に要注意

話し言葉をそのまま文に起こすと、ら抜き言葉のまま書いてしまうので注意しよう。
勧誘系にした時に、『~よう』と変化する動詞
……可能や受動を表す時には『ら』が必要
勧誘系にした時に、『~ろう』やその他の形に変化する動詞
……『ら』は不要

 

3 文章を読みやすくするためのTips

読みやすい文章だと、読み手が飽きにくい。引っかからずに最後まで読んでもらえるので、主張が正確に伝わりやすいという利点もある。
文章を読みやすくするためのTipsを集めた。

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Tip3-1 漢字や熟語を「ひらく」

「ひらく」とは、漢字をひらがなにしたり、難解な熟語を平易な文章にしたりするという意味の校正用語だ。パソコンで文章を書いていると、変換機能に頼ってつい漢字が多くなりがち。必要に応じて漢字や熟語を「ひらく」ことで、格段に読みやすくなる。また、やわらかい印象を与えることもできる。

例えば、次に挙げる言葉などはひらがなで統一することをおすすめする。
「出来る」→「できる」
「事」→「こと」
「~の為」→「~のため」

Tip3-2 漢字・カタカナ・ひらがなのリズムに注意する

漢字ばかりの文章よりも、漢字・カタカナ・ひらがなをバランスよく織り交ぜた文章の方が読みやすい。ただし、ひとつの文書の中で、同じ言葉を漢字で書いたりひらがなにしたりしないこと。
単純に漢字をひらがなにするだけでなく、熟語を「ひらく」こともできる。「決定する」「示唆する」「遅延する」などの熟語を使った動詞を、「決める」「示す」「遅れる」など平易な表現に変えるのだ。
ビジネス文書はある程度かたい表現にする必要がある。文章を読む対象や、文章にもたせたい雰囲気に合わせて、最適なバランスにしよう。

Tip3-3 専門用語はすぐそばで説明する

分からない用語や複雑な表現が出て、理解が追いつけなくなったら読み手は読むことを諦めてしまう。読み手を置き去りにしてはいけない。読み手に「?」と思わせたままにしないケアが必要だ。

●小説の場合
読み進めるにあたって読み手に最低限伝えておきたい前提知識や、その作品独特の造語なども登場するだろう。「○○とは~~のことだ」とそのまま説明したり、登場人物の会話を使って説明させてもよい。できるだけさりげなく、読者の頭の中に情報を滑り込ませるのが上級者だ。

●ビジネス文書の場合
読み手のレベルに配慮すること。
カタカナ語や専門用語は、その言葉でなければ説明できない場合にのみ必要に応じて使う。
相手に伝わりにくい用語を書く場合は、直後に()をつけて端的に説明する。企画書であれば、本文の流れを妨げないようにフォントや色を変えても良い。

Tip3-4 用語や表記を統一する

用語や表記にブレがある文書は、読みにくいし誤解を生む恐れがある。以下の例を参考に、自分のルールを設けておくとよい。用字用語表を用意するなどの工夫もおすすめ。

・~して下さい/~してください
……漢字にするかひらがなにするかを統一する。適度にひらがなが多い文章は、やわらかく読みやすい印象になる。
・一人/1人/1人
……漢数字と算用数字、半角数字と全角数字が混在していないか注意する。
・パーセント/%
……カタカナで表記するか記号で表記するか。環境依存文字は文字化けの恐れもあるので多用しないこと。

Tip3-5 二重否定になっていないか?

婉曲な表現として使ってしまいがちな二重否定も極力ストレートな言い回しに変えること。否定形に否定形を重ねて肯定の意味にする二重否定は、はっきりと言い切りたくない場合などに使われる。日本語らしい婉曲な表現だが、誤解を招かないためにもシンプルに表現するべきだ。

Tip3-6 書き手の常識が、読み手にも通じるとは思うな

「※前日に搬入したBGM集の確認もすること」
という文章を書いた人には、「BGM集は前日に搬入してあって、その確認を当日会場入りした時に行う」のが当たり前のことかもしれない。しかし、読み手は「前日に確認しに来るのかな、電話してくるのかな」と悩むだろう。
読み手を悩ませないためにはどうすればいいか、常に気を配ろう。
二つの意味に取れるような文章は避けて、誰が読んでも満場一致で意味が伝わるように気を配ろう。

 

4 構成に関するTips

一文一文の読みやすさはもちろん、文書あるいは記事全体の構成も重要だ。いきなり書き始めるのではなく、構成をある程度考えてから書く方が良い。
構成に関するTipsを集めた。

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Tip4-1 5W1Hを活用する

誰が(Who)
どこで(Where)
いつ(When)
何のために(Why)
何を(What)
どうやって(How)
必要に応じて、誰に(Whom)どれくらい(How much)もつけ加えよう。

必ずしもすべての要素を盛り込まなくてはいけないわけではない。必要なものだけを簡潔に、具体的に書き記そう。書く順番には神経質にならなくても良い。極論を言えば、必要な要素をざっと書き出した上で、分かりやすい順番に並べ替えれば良いのだ。

Tip4-2 結論は最初に示すが、最初に書き始めなくても良い

結論を文章の最初に示すことで、読み手は「この文章は、○○について書かれているんだな」と準備できる。また、書き手にとっても最初に結論を置いておくことで、主張をブレさせずに書き続けることができるのだ。
ただし、ここでいう「最初」は文書の冒頭という意味であって、真っ先に書き始めなければならないという意味ではない。書き始め、つまり、一行目の一文字目がもっとも難しいのだ。書き始めに迷ってしまい、グダグダと序論をこねくり回してしまうことも多いだろう。迷ったら、書けるところから書けば良い。

Tip4-3 文書を結論~見出し~小見出しのツリー構造にする

ツリー構造を意識して文章を書くことで、論理的で分かりやすく、読みやすい文章になる。
見出しを立てずに書き始めてしまうと、結論に関係ない内容が混ざったり、見出しのボリュームが不ぞろいになったりして、読みにくい文章になってしまう。文章を書き始める前に、必ず全体の構成を考えるようにしよう。上から順に書かなくても、書けるところから書けば良い。各見出しのボリュームを同じくらいにおさめると、さらに読みやすくなる。

Tip4-4 「起承転結」より「序本結」

「起承転結」が向いているのは、小説や物語だけ。ビジネス文書やブログ記事などで起承転結を使おうとすると、「起」でダラダラ、「承」でぼんやり、「転」でうまく展開できず、「結」は何だか尻すぼみ、となってしまいがちだ。
そこで「序本結」の三段構成を使う。
●序論
……文章の導入。この文章で何を伝えようとしているのか、つまり結論(主題)を先に提示する。
●本論
……序論で提示した「この文章で伝えたいこと」を具体的に説明する。本論の中に、さらに小見出しを設けて序本結を繰り返すこともできる。
●結論
……その文章のまとめ。序論と結論で異なる主張をしていると、何が言いたかったのかさっぱり分からなくなる。序論で述べた結論(主題)を再度出すことで、主張をダメ押しする効果もある。

Tip4-5 構成が破綻する症状別の改善策

・「竜頭蛇尾」タイプ
……頭でっかちで尻切れトンボ。前提や状況の説明を丁寧にやりすぎて、結論があっさりと終わってしまう文章。重要なのはあくまで結論なので、結論部分から書き始めると良い。
・「木を見て森を見ず」タイプ
……特定の章にだけ力が入って他がおざなりになってしまう。各章のバランスが悪いことが原因。特定の章が膨らんでしまうようなら、さらに細かく章を分けるか、それを主張の中心に据えて構成を考え直すほうが良い。章立てを考えるときに、文字数の目安も考えておくと良い。
・「博愛主義」タイプ
……制限文字数を超えているのにどこも削れないのがこのタイプ。書きたいこと、主張したいことが増えて迷走しがち。最も伝えたい主張があいまいになってしまうので、不要な部分やまわりくどい部分を大幅にカットする勇気をもとう。

 

5 読み手をひきつけるためのTips

情報が多種多様にあふれる現代で、自分の書いたものを読んでもらうためにはどうすればよいか。内容がいくら素晴らしくても、読者の目に触れ手に取ってもらえなくては意味がない。
読み手をひきつけ、読んでもらうためのTipsを集めた。

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Tip5-1 タイトルには数字を盛り込む

数字は人をひきつける。一時、出版業界では「タイトルに数字が入っている本は良く売れる」というジンクスがあったほどだ。
なぜ、数字を含むタイトルが人をひきつけるのか? それは、数字が「誰もが容易に実感できる絶対的なものさし」だからだ。数字を明確に示すことで具体性が増し、信頼性が上がる。つまり、タイトルを見ただけで内容を具体的にイメージできることが重要なのだ。

Tip5-2 書き出しは短くおさめる

読み手は、無関心な観客だ。書き手はあの手この手で読み手をひきつけ、飽きさせずに読ませなければならない。少しでも手を抜くと、読み手はすぐに離れてしまうだろう。相手に興味をもってもらい、続きを読み進めてもらうためにはパンチの効いた書き出しが必要だ。
論文やレポートでは、問題提起から書き出すのが簡単だ。疑問文は、読み手の興味を引きやすい。
ビジネス文書では、初めに結論を書くこと。ビジネス文書の読み手は、多忙な上司や取引先だ。結論を念頭において読み進める方が理解しやすい。

Tip5-3 “例え”は五感に訴えかける

“例え”つまり比喩がうまい小説は美しい。しかし、うまく例えるのはけっこう難しいものだ。うまいこと言おうとして、何を言いたいのか迷子になってしまったり、うざったらしくなってしまいがちだ。
比喩表現にはさまざまな方法がある。その中でもオススメなのが、五感に訴えかけることだ。視覚、味覚、嗅覚、聴覚、触覚など読み手が想像しやすいもので例えることで、分かりやすく効果的な例えになる。

Tip5-4 読み手を説得するには、文章に『かなめ』が必要

Web記事やブログライティングなど、読み手を説得したい文章を書く時には、以下の『かなめ』を意識するとよい。
・か/過去(実績、実例、体験など)
・な/ナンバー(数値、数量、順位など)
・め/メリット(利点、ベネフィット、効果など)

 

6 ビジネス文章を書くためのTips

社会人になってビジネス文書を書くようになると、正確な日本語や文章の書き方に悩むようになる。ビジネス文書にふさわしい文体とはどういうものだろうか?
報告書やビジネスメールなどを書く際に役立つTipsを集めた。

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Tip6-1 言葉のTPOを使い分ける

ビジネス文書が書けない人には、話し言葉をそのまま書いてしまう人が多い。言葉にもTPOがある。時・場面・目的に応じて話し言葉と書き言葉を適切に使い分けよう。
・話し言葉(口語)……会話において使われる言語
・書き言葉(文語)……文章を書く時に使われる言語
文書は間接的な情報手段である。読み手に正確な情報を伝えるためには、正確な言葉遣いをしなければならない。ビジネス文書においては、現代の公用語ともいえる書き言葉を用いるのが良い。

Tip6-2 敬体(です・ます)と常体(だ・である)を統一する

文書の冒頭に、敬体で前置きの一文を入れて、以降は常体で箇条書きにするという裏技もある。社内向けか社外向けか、文書の提出先に応じて使い分けよう。

Tip6-3 あいまいな表現や主観的な言葉は使わない

間接的な情報手段である文書の場合は、正確かつ客観的に表現する必要がある。たくさん、わずかに、すごく、やや……といった状態副詞に要注意! 誤解を生まず正確に伝えるためには、具体的な数値・数量で書くとよい。

Tip6-4 報告書には、九割の事実に加えて、一割の未来を盛り込む

事実を客観的に述べ、最後に所感というかたちで自分の意見や提案を盛り込むと、グレードの高い報告書になる。特に、単調になりがちな業務日報では日々気づいたことをこまめに報告しよう。「裏紙をリサイクルするための箱の設置を提案します」など、些細なことでも何でもいい。小さな気づきが、会社をより良くする第一歩になるかもしれない。

Tip6-5 適切な文章量を心がける

報告書なら、多くてもA4で二~三枚が理想的。それより長くなる場合は、要点を一枚にまとめた要約をつけよう。

Tip6-6 論理的文章にはPREP法がおすすめ

ビジネス文書には論理性が求められる。論理的文書を構成する時にはPREP法がおすすめだ。
・P/Point
 … …要点。その文書の核となる、結論の部分を述べるパート
・R/Reason
  ……理由。Pで主張した結論の理由を説明するパート
・E/Example
  ……実例。Rで説明した内容を裏付ける
・P/再びPoint
  ……最後に、結論をもう一度主張してまとめる

 

7 校正・校閲・文章チェックに関するTips

「夜書いた手紙は朝読み直せ」とよく言われる。
誤字・脱字を正すだけでなく、より分かりやすく正確な文章にするのが校正・校閲の目的だ。書いている間、書き手は主観的でひとりよがりになりがちだ。頭を切り替えて客観的に読み返すことで、誤りを見抜きやすくなる。
校正・校閲・文章チェックに関するTipsを集めた。

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Tip7-1 「美しい文章」とは

美しい文章とは、修飾語句や比喩表現で飾り立てたいわゆる「美文」ではない。誰が読んでも分かりやすく、誤解を生まない文章のことだ。
・誤字・脱字がない
・熟語や慣用句が正しく効果的に使われている
・一文が短くて簡潔である
・一度読めばすっと頭に入ってくる

Tip7-2 校正力を鍛えることは、危機感を磨くということ

思い込みやミスが起こりやすい箇所を認識しておくだけで、ミスが減らせる。校正力とは、ミスやヌケ・モレを見抜く「目」、誤解を生む表現を避ける「レーダー」である。危機感のレーダーがあれば、文章を見直す時だけではなく書く段階から役に立つ

Tip7-3 前日には仕上げて、必ず読み返す

この文章は読みやすいか?
誰が読んでも理解できるか?
伝えたいことが伝えられているか?
客観的な視点をもって、文章を読み返そう。可能ならば、1日時間をあけて読み返すと良い。時間を空けると書いている最中の思い込みがリセットされるので、誤字や脱字にも気づきやすい。
締切までに余裕を持って書くという点でも、「前日完成」を習慣づけることをおすすめする。

Tip7-4 コピー&ペーストには気を配ること

コピー&ペーストは便利だからこそ注意が必要。パソコンでの文字入力に慣れている人ほど、コピペでポカミスをやらかしやすい。
また、テンプレートやフォーマットを流用する際は、『日付』『数字』『単位』の差し替えモレに注意しよう。これらのミスはビジネスでは致命的だからだ。

Tip7-5 チェックする項目をひとつに決めて、それだけを追ってみるのもよい

漫然と読んでるだけではミスを見つけにくい。数字なら数字だけ、単位なら単位だけ、句読点なら句読点だけ……というように、チェック項目を一つに絞って追いかけるとよい。全体を繰り返し校正にかけることになるので、精度が上がる。
見出しだけを追いかけるのも効果的。文書全体が分かりやすいか、必要十分な情報が記載されているか、文書の目的が果たせているかを確認する。

Tip7-6 文章量を削ってシンプルにすることも、校正の大事なポイント

口頭で説明するようにダラダラと書かないこと。適切な文章量が身につけば、効率よく書けるようになる。
本題と関係のない部分はないか?
真意はちゃんと伝わっているか?
よりシンプルな表現にできないか?
文章の純度を極限まで上げよう。

 

8 文章センスを磨くためのTips

時には、書くことから離れてみるのも大事。語彙力を高めたり、表現力を鍛えたり、書きたいテーマに出会ったり……
スランプから脱出したい時にも使える、文章センスを磨くためのTipsを集めた。

画像提供元:いらすとや

Tip8-1 電車広告を眺める

限られたスペースで展開される電車広告には、人をひきつける文章のヒントがある。キャッチコピーから、短く簡潔に人をひきつける工夫を学ぼう。デザインからはタイトルの目立たせ方や図表の足し引きなどの「見せ方」が学べる。
通勤・通学時間を利用して、センスを磨こう。スマホから顔を上げて、電車(バス)の広告に目を向けてみよう。

Tip8-2 普段読まないジャンルを読む

ビジネス書、自己啓発書、文芸書、ライトノベル、時代小説……普段自分が読まないジャンルの本を読むことで、文体や語彙の参考になる。好きなジャンルばかりを読んでいると、影響されてどんどん凝り固まってしまう。語彙を増やし、バラエティ豊かな文章にするためにも、新たなジャンルに積極的に手を伸ばそう。
書店で立ち読みするより、図書館へ足を運ぶことをオススメする。ほとんどの書店では、定番か新刊を並べるだけで売り場がいっぱいになってしまうからだ。多くの図書館は、分類ごとに本が並べられているので、タイトルを眺めるだけでもジャンルの特徴や差が読み取れるはずだ。気になるタイトルがあれば、手にとって試し読みしよう。

Tip8-3 新聞を読む

新聞は、限られた紙面で情報を分かりやすく正確に伝えなければならない。だから、無駄な部分をひたすらそぎ落とし、簡潔な表現に仕上がっているのだ。ざっと見出しを眺めるだけでも、トピックスが頭に入ってくる。
ニュース欄だけでなく、プロの記者が書くコラム欄は勉強になる。一面の下の方にあるのでぜひ目を通してほしい。読ませ方や例えが秀逸で、話の持っていき方がとても上手い。どんな書き出しで人をひきつけ、どんな風に文章を結ぶのか参考にできる。

Tip8-4 キュレーションサイトをフォローする

キュレーションサイトは、「短く、分かりやすく、読み手をひきつける文章」の参考になる。このようなサイトを使ってトピックスを見る人は、隙間時間を活用している。タイトルをざっと見て、面白そうだと思ったものを読むが、長すぎる文章やつまらない文章だと飽きてすぐ他の記事に飛ぶ。キュレーションサイトの情報には、隙間時間を利用する飽きっぽい読者をひきつけるための工夫がたくさんある。魅力的な文章を書くヒントが転がっているといえるだろう。

Tip8-5 まめに辞書を引く

知ったかぶりや思い込みで、熟語や慣用句を誤用してしまうのは恥ずかしい。また、語彙力がなくて同じ表現が続いてしまうのも残念だ。読むときも書くときも、面倒がらずに辞書を引くことを習慣づけよう。
●電子辞書
目的の情報をすぐ調べられるし、持ち運びやすいのもありがたい。暇な時は、ジャンプ機能を使ってどんどんと言葉の海に潜り込むのも楽しい。そうやって語彙力を増やしていくのが電子辞書の醍醐味だ。
●紙の辞書
一覧性の高さがメリット。目的の言葉を見つけたとき、目に入ってくる情報は紙の辞書の方が多い。しかも、五十音順でまったく関連性のない言葉が並んでいるので、語彙力を高めるのにはうってつけ。
どんな辞書がいいのか迷っている人には、「新解さん」こと新明解国語辞典がオススメ。表現がどことなく文学的で、読み物としてもとても面白い。

Tip8-6 英語の一行日記を書く

英語の一行日記を書くことで、表現したい内容の余分な部分をそぎ落とす練習になる。
英語が苦手でも関係ない。中学一年生レベルの英語で構わない。英語の勉強が目的ではないので、長い英文を書く必要も、正確な英文である必要もないのだ。むしろ、簡単な英文を書くことで主語と述語がきちんと対応した簡潔な文章の練習になる。文末をあいまいに濁さず、ズバリと言い切る文章の練習にもなる。英語的な感覚で文章を書くよう心がければ、簡潔で明確な文章が書けるようになるだろう。

Tip8-7 語彙力を高めるために単語連想マインドマップを書く

任意の単語からイメージする言葉を、マインドマップ状にどんどんつなげていく。連想ゲームを通して自分の語彙力を磨くのだ。はじめは、まったく枝が広がらないかもしれない。辞書で調べたり、気になったフレーズをメモしたりすることで語彙力が高まっていくだろう。ひとつの単語に対するイメージを豊かにできる。単語からの連想は、うつくしい比喩表現を生み出す役に立つだろう。

Tip8-8 気になったフレーズを手帳にメモする

小説やエッセーだけでなく、映画やドラマの台詞などなんでも良い。気になったフレーズや言葉を、とにかくメモしよう。
言葉との出会いは、縁だ。「あ、いいな」と感じた瞬間を無駄にせず、自分はどんな言葉を「いい」と思うのかを自覚しよう。綺麗に残そうとしなくても良い。書いたことさえ忘れてしまうような言葉は、そこまで価値あるものではなかったということだ。手で書くことで、手が覚える。それで十分だ。

 

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