タイトル
妊娠中の4大マイナートラブルを吹き飛ばせ!マタニティライフを赤ちゃんと楽しもう10分で読めるシリーズ
著者名
緒方かのん,MBビジネス研究班
発売日
2015/02/13
概要
10分で読めるシリーズとは、読書をしたいが忙しくて時間がない人のために、10分で読める範囲の文量で「役立つ」「わかりやすい」「おもしろい」を基本コンセプトに多くの個性あふれる作家様に執筆いただいたものです。自己啓発、問題解決、気分転換、他の読書の箸休め、スキルアップ、ストレス解消、いろいろなシチュエーションでご利用いただけます。是非、お試しください。
はじめに
自分の身体に新しい命が宿った!
なんて不思議で、なんて素晴らしいこと。
40週という長くも短い時間を過ごせば、私たちに家族が増える。
まだ何ひとつ変化のない自分の身体を抱きしめて、この変化を全身で愛しく思う。
パートナーと自分の分身。
考えるだけで幸せに満ち足りた気持ちになる。
女性は誰でも心の奥底にいつか赤ちゃんを宿し、この世に産んで育てていくんだというDNAが刷り込んであるものだ。
女性は、人生の中で仕事が好き、自分の今の生活が好き、いろんな環境に身を置く。
そうではあってもいつかは赤ちゃんを産み育てるという壮大な仕事を抱えて生まれてきている。
生命が始まってから続く、この刷り込まれた壮大な指令は適齢期になればすべての女性の頭をかすめずにはいられない。
その中で、その大きな役割を自分の身体が担った!
これは人生の中でどれほど大きなニュースだろう。
この子を育て、人生を歩かせてやらなければという仕事の大きさに喜び半分、不安半分。
それが自然な心の流れだ。
自分の身体は日々、少しずつ変化していく。
目に見えなくても、赤ちゃんは子宮の中で、生まれてくる日を数えながら少しずつ身体を作り上げ、この世に産声を上げる日を日々数え、紡いでいく。
この神様しかなし得ない不思議な現象。
母親の身体はゆったりと自然な流れであたたかく妊娠を受け止めて過ごしていくのだと想像する。
しかし、ほとんどのケースは経験したことのないマイナートラブルに見舞われる。
中にはそのマイナートラブルがひどすぎて、妊娠そのものを恨めしく思うケースさえあるというからマイナートラブルと一口に言っても問題は様々。深刻だ。
この本を手に取るあなたや家族は、今そのマイナートラブルの真っただ中にいるのだと想像する。
いつまで続くものか、少しは軽くならないものかと、自分も家族もため息をついているのではないか。
このマイナートラブルは多かれ少なかれ妊娠した女性の誰にでもある。
このことは何度も思い出してほしい。
誰にでもあって、出産が終わるころにはどんなひどいマイナートラブルも笑い話になったり、あんなこともあったね、とゆったりした気持ちで思い出す日が必ず来るのだということを。
誰にでもあるこのマイナートラブルをポジティブに、赤ちゃんを家族に迎える楽しい準備期間ととらえることができるなら、この40週はあなたにとって思い出深く、また大切な経験になるだろう。
たとえどんなにひどいマイナートラブルでも出産とともに終わる。
今あるゴールの見えない息苦しさだけがこれからも続いていくというわけではないこと。
このことは必ず知っておくべきことだ。
もう一つ。
マイナートラブルは夫の理解と努力が軽くしてくれるケースも多いこと。
ここで、夫のやさしさや思いやりに触れることができれば、この後の子育てへの不安も安心感が全く変わってくるということ。
夫は自分の身体には何の変化も起きないけれど、愛する妻が命を生み出すために身体を削り、心を削って日々を過ごしているのだということ。
夫は、愛すべき女性が今、母親になろうと身体が大きく変化しているのだということをいつも心に留めていてほしい。
妻の身体をさすり、愛情と思いやりのある言葉を多くかけ、いつも気にしているのだという態度を相手にわかりやすく繰り返し示すこと。
これをよくわからないからと、受け流してしまうことが一番状態を悪化させる。
妻の手ごたえを求めず、心遣いと愛情を与え続けることだけが今できる自分の最良の仕事、と信じて続けていくこと。
これがこのマイナートラブルを乗り越える何よりの薬になることを知っていてほしい。
夫の愛情だけでは妊娠中のマイナートラブルを解決させることはできない。
何ひとつとして代わってあげることができないから、理解することも難しいかもしれない。
でもその苦痛を和らげることは必ずできる。
そして知っておいて欲しいことは、場合によっては夫の理解の乏しい態度や言葉が事態をひどく悪化させることがあるということ。
妊娠は母体がひとりで抱え、乗り越えるものではない。
妊娠は二人で赤ちゃんを迎えるために努力する過程だ。
今の女性は家事のほとんどを家族に任せてきたケースが多い。
お金をかけて使えば、何でも生活に不自由しないツールに囲まれ、自分自身での努力も最小限に暮らすことも可能だった。
夫も全く同じこと。
むしろ、夫は結婚することで今までしてもらえていた母親役割までをも妻に委ねてしまうのが自然な流れととらえてしまうことも少なくない。
しかし、妻とて委ねられてどうする、という手の回らない状態になるのだ。
独身の頃は何でも許された。
夫と二人の生活であっても、何とかなった。
しかし赤ちゃん。
この儚くも、すべてを他人に委ねなければ呼吸ひとつままならない生き物がやってくるのだ。
不安半分で済めば合格。
ほとんどの人が不安が大きくて当たり前だと思うと気も楽になる。
妊娠中に女性が経験するマイナートラブルの主なものを4つ上げる。
二人で愛をもって始めた生活。
ここにもう一人、赤ちゃんという愛を受けて育ち始めた命がある。
夫であるあなたへ。
母体に愛情を向けることは、いずれやってくる赤ちゃんへ愛情を向けることとイコールであると知って40週を過ごしてほしい。
母になるあなたへ。
自分の身体に起きる変化の数々をすぐに受け止めなくても良い。
悲鳴を上げても、受け入れるのに時間がかかっても、折り合いをつけて過ごしていくことだ。
家族がふえていくということも、新しい命をこの世に送り出すということも、あなたにしかできない大仕事。
マイナートラブルなんて何もかも受け止めてどんと来い、とまでは言うことはできない。
でもいずれ生まれてくる赤ちゃんを思い、新しい家族の形を想像して願う。
必ずその先に幸せがある。
本書が妊娠中のマイナートラブルと折り合いをつけながら、マタニティライフを過ごしていける手助けになればと願う。