タイトル
歴史の転換。明治維新。成し遂げた「小さな人たち」木戸孝允、大久保利通、西郷隆盛。維新三傑の共通点とは?10分で読めるシリーズ
著者名
shogo.p.sato,MBビジネス研究班
発売日
2015/03/20
概要
10分で読めるシリーズとは、読書をしたいが忙しくて時間がない人のために、10分で読める範囲の文量で「役立つ」「わかりやすい」「おもしろい」を基本コンセプトに多くの個性あふれる作家様に執筆いただいたものです。自己啓発、問題解決、気分転換、他の読書の箸休め、スキルアップ、ストレス解消、いろいろなシチュエーションでご利用いただけます。是非、お試しください。
まえがき
歴史を転換させるのは、いつでも権力者というわけではない。
白人至上主義が地上のどこよりも進んでいた南アフリカにおいて、アパルトヘイト撤廃につながったのは学生たちのデモ運動だった。
13歳の少年を含む幾人かが警官隊との衝突により犠牲となったが、その日を境に南アフリカの状況は一変、その日は今でも国の重要な転換日として祝日に指定、「アフリカの青年の日」と呼ばれている。
独裁政権が横行していたアラブの国々で一気に進行した政治転換運動、通称「アラブの春」は、政治と自分の人生に絶望した男性による政府施設前での焼身自殺から始まったと言われている。
アメリカでも、イギリスでも、アジア全般でも、いつでも歴史が変わるときには大きなうねりが起こっている。
ただそのうねりの真っ最中は、それがどれだけの大きなものにつながるかは分からないものだ。
さて、日本の歴史が大きく転換したのはいつなのか。
この論題での議論は昔からなされている。
鎌倉幕府の成立。
関ヶ原の戦い。
明治維新。
日清、日露戦争。
太平洋戦争etc etc...
本書ではそのうちの一つ、明治維新を取り上げたい。
日本の近代史の礎を築いたこの軍事革命とその後の新しい権力機構への移行は、世界でもまれに見るほどの成功を見た。
維新の三傑に数えられる木戸孝允(桂小五郎、この作品では木戸性で表記します)、大久保利通、西郷隆盛だが、誰も公家や大名家の出身ではなく、むしろ本来は歴史にかかわることが出来るほどの上級藩士でもなかった。
西郷は下級藩士の家の出、大久保は藩内政争によって罷免された家の出、そして桂の出身家はそもそも武家ですらなかった(長州藩の藩医)。
そんな「小さな人たち」が成し遂げたクーデターは、いくつもの偶然と必然が重なった、ドラマあふれる歴史上の転換点となって今に知られている。
いかにして彼らは成功をつかみ取ったのか。
性格的には正反対の塊だった三人だが、彼らに共通するものは何か。
今の私たちは、当然ほぼ全てが「小さな人たち」だ。
だからこそ、彼らは私たちの大きな模範となる。
彼らから学べること。
大事なのは、人間力だ。