1日1分。英語学習を習慣化する下品なくらい強引な方法。英語が続かない人のための本。全文公開中

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まえがき

本書は、英語学習を習慣化するためだけの書籍だ。英語の教材も紹介しないし、勉強方法も紹介しない。ましてや英単語なんて一つも出てこない。
ただ、英語の勉強が続かない人が、続くようになるための本だ。

英語は言葉だ。当たり前だろうか?

アメリカ人なら3歳でも英語を話す。これも当たり前だろうか?日本人なら3歳でも日本語を話すので当たり前だ。

子どものすばらしい脳機能の話は置いておくとして、世間一般の常識として、とにかく継続すれば英語はできるようになるのだ。それを、勉強したりしなかったりして、挫折するからできるようにならない。

プロサッカー選手になりたいという夢とは、そもそもまったく違うのだ。やればできる。それが言葉だ。

そして英語は言葉である。

だから、本書では、とにかく学習を続ける方法をひたすら解説する。キーワードは1日1分だ。これを活用して、もう下品なくらいに強引に習慣化する。

それでは紹介していこう。

習慣化のメカニズム。それは30日。

一般的に、同じことを30日行えば習慣化すると言われている。
これを利用して英語学習を歯磨きのように行う無感動な「業務」に変えてしまおう。

まず、英語学習が続かない人は、ハードなスケジュールを作る。
「1日5個単語を覚える。」
「1年後には1500個以上の単語が覚えられている。」
「忘れたとしても1000個くらいは覚える。」

これは無理だ。もっと忘れる。

とにかく、目標に具体性を持たせて課題を決めてやろうとする。
これは一見よさそうに見えるし、たいがいの英語学習本では、そういったスタイルを推奨している。

しかし、これが続かなくなる原因としては大きい。

毎日5個覚えるペースが2週間くらいでできなくなってくる。そうなると、1年後の単語1000個計画が崩れてしまう。このままじゃダメだと焦りながら学習する。追い付かなきゃいけない。そうだ、明日から6個にしよう。結局3個しかできない。
目標を下回る状態が一週間も続くと、もう英語なんて見たくないという気分になる。

これには、理由がある。

まず、自尊心が傷つくのだ。
自分で決めたこともしっかりとできない自分のだらしなさに自信を失う。ダメな自分を突きつけられるような気がして英語のテキストを開くのも嫌になる。

つぎに、ストレスだ。つねに達成できない目標と毎日向き合う。今日もできなかった。明日もできないのかもしれない。そんなプレッシャーに晒されながら日々過ごすストレス。そのストレスから開放されたくなるのだ。

 

それでも、一般的に英語学習書は期限を決めることを推奨する。
理由は簡単だ。読者が望んでいるからだ。
英語学習者は、できれば明日にでも英語が話せるようになりたいのだ。
期限を区切るということは、その期限までにできるようになるイメージを持てる。学習者はそれが好きだ。
「来年の今頃はネイティブスピーカーだ」
これほど、英語学習を挫折する人が好きな言葉はない。

とにかく、期限を切った目標設定をやめよう。

勉強し過ぎると、拒否が始まる。

期限を切る人も、そうじゃない人も陥りがちなのがこれだ。

勉強し過ぎるケースだ。

1日に2時間も3時間も勉強する。
本当にこれが1年も2年も続くなら、学習時間としては日常会話くらいできるようになるだろう。

しかし、英語を毎日2時間も3時間も勉強するのは、相当つまらない。最初は面白い。成長もぐんぐんする。しかし、ある程度までいったら成長は鈍化する。その段階で、2時間も3時間も毎日学習できるだろうか。

会社の業績が悪くなって、仕事を一所懸命しなければいけないタイミングもあるだろう。大好きなあの娘と付き合いはじめてデートで忙しくなるかもしれない、既婚者なら家族サービスもあるだろうし、気になる本を読みたかったり、ドラマを見たかったり色々とあるだろう。

学習を始めるときは我慢できると思うのだ。しかし実際は1年も続ければ絶対に飽きる。それで、やる気がない日がポロポロ出てきて、結局やらなくなる。

とにかく、続けれていれば進むのだから、やめてはいけないのだが、続かない。

1日1分で強引に習慣化

そこで、本書で紹介したい習慣化の方法だ。

まず、英語学習を死ぬまで毎日続けると覚悟しよう。

おっと、いきない仰々しいだろうか。

しかし、言語を学ぶということは、そういうことだ。使わなければ能力は、すぐに衰えてしまう。一度勉強したなら、生きてるあいだはずっと使い続けたいはずだ。そのほうがお得だ。
そうである以上、死ぬまで毎日勉強だ。

とはいえ、生きていく中では、時間がない日もあるだろう。だから、歯磨きができないくらい忙しい日は休んでもいい。

ひとまず、本書で紹介する方法を30日は続けてほしい。30日続ければ習慣化するからだ。

歯を磨きながら英語を学ぶ

歯磨きと英語をセットにしてほしい。

歯磨きをしながら単語帳を見るなり、テキストを見るなりする。歯磨きが1分の人なら、1分。5分の人なら5分。
その時間は、歯磨きと英語の時間だ。
誰でも歯磨きは一生続けるだろう。同じように歯磨きをしながら英語を読んでほしい。
これを続ければ、まったく英語を勉強しない日はなくなる。

バカバカしいだろうか。しかし習慣化は、すでに習慣化しているものに乗せてしまったほうが簡単なのだ。

これからのあなたの人生の歯磨きタイムはすべて英語学習のためにある。

歯磨きタイムを英語学習にささげよう。一生分でも惜しくはないだろう。
ちなみに、1日1分歯磨きをする人なら、50年間で歯磨きに使う時間は300時間程度になる。1日5分の人なら1500時間。1日5分を朝と晩で2回する人なら3000時間。

さすがに50年に分割してるので3000時間あっても英語はできるようにならないので、あくまで参考だが、このくらいの時間にはなるのだ。

この歯磨き英語学習。

これがすべての基本だ。
これを徹底的に続けることにより、英語学習の軸とする。

歯磨き英語が、英語学習の基礎。

歯磨き英語学習だけでは、学習時間が足りなので英語はできるようにはならない。
しかし、これは大きな意味があるのだ。

まず、英語はやればできるようになる、というのは冒頭で話した。
それにも関わらず英語ができるようにならない人は学習が続かないからだ。
だったら、学習が続くようにすれば、できるようになるはず。
そこで、歯磨き英語学習だ。
こういったロジックだ。

イメージしてほしい。

歯磨き英語学習が完全に習慣化した状態を。

毎日、必ず英語の学習はしている状態だ。どんなに忙しくても、やる気がしなくても学習している状態だ。

この基本状態を持ちながら、別の時間に英語の勉強をはじめるのだ。もちろん、歯磨き英語学習は続けている。これは一生やるのだ。

1日5個単語を覚えるなんていうむちゃな計画を立てて、三日坊主で終わったとしよう。

いままでだったら、それから数ヶ月は英語を学習しなかっただろう。
しかし、歯磨き英語学習をしているあなたは、それでも毎日英語を見ているのだ。3日、4日とたつと、単語はダメだったが別の方法で勉強してみるかという気持ちになってくる。

ようするに、英語学習に挫折してから立ち直るスピードが速くなるのだ。なにせ、英語学習はやめていないのだ。毎日少し英語を見るたびに、英語にたいするモチベーションが戻るのだ。

歯磨きの時間にモチベーションを補充するから、挫折しても学習に戻れる。そういった状態を作れる。

普通にしていたら英語の学習は続かない。だから、毎日決まったときに決まったやり方でモチベーションを回復する。

それが歯磨き英語学習の狙いだ。

具体的なはじめ方

漫画が好きな人なら英語版の漫画を用意したり、ファッションが好きなら英語版のファッション誌を用意したり、とにかく、毎日見ても飽きないものを用意しよう。もちろん、飽きたら変えてもいい。とにかく英語であればいい。むしろ興味のあるものの方がいい。それが理解できないことが英語学習のモチベーションになる。好きな漫画の英語版を用意したなら、大体のあらすじは日本語版で読んでいるからわかるとして、細かな部分が英語がわからないと理解できない。そのムズムズ感がモチベーションを上げる。

それを歯ブラシのそばに置いておく。歯磨きのときに洗面所に立って行うなら洗面所に置いておこう。ソファーに座って歯磨きするなら、そのあたりに置いておこう。本がなければ歯磨きはしない。歯ブラシがなければ歯磨きはできないことと同じだ。

歯磨きしながら読む。
もし内容が気になってもっと読みたいと思ったら素直に読もう。このついつい読んでしまう学習は、効率的だ。
そもそも英語は言語だから、英語を読むことが目的でなくて、内容を理解することが目的だ。だから、内容に興味が湧いて読み続けるようなシチュエーションは学習効率が高い。

こういった狙いもあって、自分の好きな本を用意した方がいい。

これをとにかく30日続けよう。
それまでは、ほかの英語学習ははじめなくていい。むしろはじめないほうがいい。歯磨き英語学習の習慣化を徹底的にすすめるのだ。

ほかのことはどうでもいいから習慣化だけやってほしい。心配なら3ヶ月間習慣化だけしていてもいい。そのくらい習慣化が大切だ。これさえ身に付けば英語はできたも同然だ。

 

この習慣だけ続けていれば、自然と努力はしたくなる。勉強時間も増やしたくなる。とにかく、最初は習慣化だけがんばってほしい。

習慣化失敗のパターン

 

まず、本じゃないものを用意したら失敗する確率は非常に高まる。

たとえば、テレビドラマなどだ。英語のドラマを見ながらだったら聞き取りも練習できるしお得だと思うかもしれないが、まず歯磨きのたびに一々テレビを付けるのが面倒すぎる。これは習慣化が難しい。

つぎに、スマートフォンやパソコンなどで英語を見る。スマホやパソコンだと英語以外のものも見られる。英語を見るつもりでついついニュースを見てしまって、気がついたら歯磨きが終わってしまっていたりする。
それでそれが習慣化してしまう。歯磨きニュースだ。社会勉強にはいいかもしれないが、英語の学習にはなっていない。これは失敗パターンでは、かなり多いので注意してほしい。

トイレ編

実際にはこの方法は、歯磨きでなくても応用が利く。習慣的に無意識に行っていることと英語の本を合体させるだけだ。

トイレに英語本の本棚を置いておく。
ケータイ電話やスマートフォンを持って入らなければ、英語の本を読むしかないから、これは歯磨きよりも強制性が強い。

食事をしながらテレビを英語にするというのは、失敗する可能性が高い。歯磨きしながらの場合は面倒だからという理由だったが、食事中だと面倒さはあまりないだろう。そもそも何かしらのテレビを点けている人も多い。
これが続かない理由はつまらなさだ。
英語がわからないから英語を勉強しているわけで、わからない言葉の番組を見ても面白くないから、日本のテレビを見てしまうだろう。

歯磨きもトイレもそうだが、日本語のコンテンツが楽しめるなら、油断するとそちらに行ってしまうので、そこに注意が必要なのだ。

習慣化失敗のパターンは、ほぼそこに集約するはずだ。日本語のコンテンツを見たくなってしまう。

あとがき

さて、英語学習が習慣化できそうだろうか?
少し遠回りに感じるかもしれないが、一度習慣化してしまえば一生ものだ。習慣化に1ヶ月必要か、2ヶ月か、あるいは3ヶ月かもしれないが、それでも一生使えると思えば、お得だ。

ぜひ、本書をきっかけに英語学習を決定的な習慣にしてほしい。

では、読者の皆様が英語学習の習慣化に成功し、英語を使いこなし、仕事に趣味に人生を楽しまれることを祈りながら本書を終わりとしたい。

読了、ありがとうございました。