残業ゼロを目指して、まず30分早く帰ろう。 確実に30分早く帰れるようになる仕事術。絶版本無料公開中!


Contents

まえがき

昨今は働きかたも多様化していて、高度経済成長時代の社会のように長時間働けばいいという考え方がなくなってきた。むしろ、仕事は仕事でしっかりと終わらせて、未来のための勉強や子どもとのコミュニケーションの時間を増やしたいと考えている人が多くなっている。面白いのは残業を減らそうと思っている人ほど、人生に前向きなのである。早く家に帰って遊びたいわけじゃなく、未来に向けて更に努力したいという人たちだ。

残業を減らしたい、早く帰りたいという人たちこそが、やる気のある、本気のビジネスパーソンであることが面白い。

おそらく、本書を手に取ったあなたも、そんなやる気にあふれるビジネスパーソンなのだろう。仕事もしっかりとやって、勉強もして、家族とのコミュニケーションも犠牲にしない。そんな自分の義務を投げ出さない責任感のある人なのだろう。

本書は、そういった前向きな人を応援するために作られた。残業はゼロにできたらいいのだが、最初から、そんな大きな目標を立てても仕方がない。千里の道も一歩から、まず30分間残業を減らすことからはじめよう。
小さな目標だが、そのかわり確実に達成しよう。

毎日30分間、早く仕事を終えることができれば、年間で125時間の節約になる。これは営業時間で言えば半月分を超える。毎日30分の工夫で半月以上の時間を生み出せたことになる。1日30分は小さな目標だが、年間で考えれば、大きな進歩だ。残業ゼロへの第一歩、毎日30分の残業削減を早速はじめよう。


腕時計をつける 「腕時計チラッと」

すでに腕時計を着けている人は読み飛ばしてもらって構わない。
最近は携帯電話、スマートフォンによって時間がわかるため腕時計を着けていない人が多い。しかし、腕時計は携帯電話、スマホとは違う効果がある。つねにすぐに見える場所に時間があるため、時間を意識するようになるのだ。すると、雑談で脱線したときなどに仕事に戻るスピードが速くなるのだ。
よく雑談中に腕時計をチラッと見て仕事に戻る人がいるだろう。あの行動だ。
この行動を
「腕時計チラッと」
と名付ける。
ポケットの中のスマホを出すよりも、常に簡単にアクセスできるところに時間があるというのが大事なのだ。腕時計が、あなたに語りかけているようなものだ。
「おいおい、時間だよ。そろそろ仕事に戻ろうよ」
そんな、感じで、腕時計たちは、あなたに語りかけている。スマホはポケットやバッグの中なので声が届きにくいし、彼らは時を刻むことがメインの仕事じゃないのでアピール力も弱い。

腕時計を着けることで無意識に時間への感度が上がって無駄な時間が減る。だまされたと思って着けてみよう。
ついつい見たくなるような、お気に入りの時計ならなおさらいい。
「腕時計チラッと」を活用しよう。


ストップウオッチを使う

先ほどの時計の話と原理は同じだ。腕時計の場合は時間を意識することにより早めに動くということだった。ストップウオッチは時間を意識することにより速く動くということになる。
たとえば、メールを一本書く。という仕事があったとしよう。漫然と書くと20分、30分かかってしまう内容でも、ストップウオッチで締め切りを設定して書き始めると意外と早く終わる。いきなり30分が10分にならなくても、毎日やっていればコツを掴んでいき、最終的には10分でできるようになるだろう。

ちなみに、30分かかっていた文章を10分で書き上げられるようになる人は多い。メールを書くのに実際は30分も必要ないのだが、言い回しや、わかりやすさを考えているうちに時間がたってしまう。しかも時間がかかる人の特徴としては、書く前に考える。そして書きながら途中で読み返して修正する。挙句の果てには疲れてインターネットでニュースを見たりする。
文章を速く書くコツは、書く前に考えない。そして読み返さないことだ。
まず、なんでもいいから書き始める。ビジネスメールだから、お世話になっておりますからはじまるだろう。そして一気に書き上げる。途中で読み返さない。読み返しながら書いても、結局最後まで書いたら整合性が取れてなかったりして、何度も直すことになるのだ。とにかく書き上げてしまう。
そのあと、最後に意味が伝わるか見直していく。そのさいには、余計な挨拶や言葉をドンドン削っていく。短ければ短いほうがわかりやすいからだ。多少失礼かなというくらい、挨拶や遠回しな言い方は削ってしまおう。
すると、相手も読むのに時間がかからないので助かるのだ。
書くのも時間がかからない、読むのも時間がかからない。だけど意味は伝わる。これが最高のビジネス文書だ。

ストップウオッチで時間を計りながら作業を行うことにより、一つ一つの作業でスピードアップできる。あとはストップウオッチの効果として大きいのは脱線防止だ。目の前でカウント・ダウンされているのに、のん気にネットサーフィンはできないだろう。全ての業務のなかで脱線が一番時間がかかるから、それを防げるだけでもストップウオッチは価値がある。アスリートのように仕事をこなそう。


寝不足は仕事の効率化を妨げる

とにかく眠たい状態で仕事をしてはいけない。絶対にスピードが上がらない。適正な睡眠時間は人それぞれだが、一つの基準として仕事中に眠くならない睡眠時間を適正と考えよう。それが9時間なら、その人は実際に9時間眠る必要がある。身体にいいとか悪いとかは本書の主題ではないので触れない。ただ、時間効率のために仕事中は眠くならないほうがいいのだ。
まず、眠いと仕事を間違える。間違えたらやり直すのは最初からやるより時間がかかる。たった一つのミスで数時間が無駄になるのがビジネスだ。もちろん、眠くなくてもミスはあるし、ミスで成長もするから、失敗は悪いことではないのだが、眠いから発生する失敗に対しては何の成長もないので、ただただ時間の無駄だ。

次に、スピードが出ない。文章を書いていても、書いている途中で自分の意図を忘れてしまったり、人と話していても結論を忘れてしまったり、ミスとまではいかないが、寝不足だと途中でゴールを見失ってしまうことが多くなる。資料を読んでも頭に入らないから、何度も読みなおす。
もしかしたら、いくら寝ても昼ごはんのあとは眠くなるという人もいるかもしれない。そういった人は、昼ごはんを急いで食べて、10分でも20分でも昼寝しよう。それで午後眠くならないなら、時間的には必ず得している。

眠たい状態がどのくらいダメなのかをわかりやすく言うと、

「寝不足なら仕事スピードは2分の1」

こう覚えておこう。あなたがもし慢性的に寝不足なら、きちんと寝れば仕事のスピードは二倍になる。寝ないで仕事をしたとしても、できる仕事の量は増えていないし、ミスが出るのでむしろ遅くなる。

よく寝てみよう。頭がスッキリすれば30分どころじゃない効果がでる。今まで睡眠不足だった人は、睡眠の改善だけで、残業がゼロになる可能性もある。それくらい睡眠は重要だ。


頼まれたことは途中で出す。

資料作りやアイデアを頼まれたときには、作っている最中に相手に見てもらおう。仕事のなかでよくある無駄は相手が必要としていないものを長い時間をかけて作ってしまうことだ。

だから、プロトタイプを作って随時相手に見せる。それで方向性がずれてないかすり合わせながら、完成させていく。これは、時間の節約だけでなく、仕事の質も上がることなので、是非、行ってもらいたい。

また、頼まれたら納期に関係なくすぐに取り掛かることだ。3日後までにと言われても、別に当日に完成して提出してもいいのだ。早めに動けば問題があっても対応できるので仕事の質も上がる。納期3日と言われて3日目の午後とか帰り際に出すようなら、それは依頼者への嫌がらせだし、修正する時間もない、もはや、納期に間に合ったというレベルではない。


時間泥棒から逃げろ。

なぜか、人の時間を盗むことが平気な人がいる。そういう人は大抵自分がヒマな人だ。ヒマだから話し相手が欲しくて、ああだこうだと話しかけてくる。
別に悪い人ではないし、相手にしないこともできない。やんわりと忙しいから話しかけてこないでほしい空気を出しても、全然気が付かない。こういった人への対処は意外と難しい。

実はストップウオッチが意外と役立つ。ストップウオッチが動いていれば、仕事しているという感じがでる。
それでも遠慮をしてくれないときは、逆に難しい仕事をお願いしてみよう。話しかけてきたら、その都度、新しい仕事をお願いするのだ。相手のお願いは、自分のスケジュールを見せながら、無理なことを説明して断る。


スケジュールを詰め込み過ぎない

分単位でスケジュールを作って、ストップウオッチを駆使して、腕時計で常に時間の流れを意識する。時間泥棒をうまく撃退し、人からの依頼はスムーズにこなす。こういったことを完璧に行ってもスケジュールを詰め込み過ぎると残業は減らない。これには優先順位が有効だ。

必ずやらなければいけないものと、先送り可能なものをわけておく。たとえば、お客様にメールを送るというのは絶対にやらなければいけないことだが、営業資料をパワーポイントで見た目を良くする、というのは今日でなくてもいい。

このように今すぐ絶対にやらなければいけないことから優先して片付けていく。それだけ終わっていれば残業を切り上げて帰れるはずだ。1日のスケジュールを作るときに、今日必ずやらなければいけないことを先に入れよう。これによって、仕事が終わらないから帰れないということがなくなる。
パソコンのデスクトップはきれいにする。
パソコンの中のデータは、すぐに散らかりやすい。
たとえば、デスクトップがアイコンだらけになっている人がいる。体系化されて、すぐに目的のアイコンを探せるようになっているのならいいのだが、大抵はただグチャグチャにおいてあるだけだ。

これは非常に効率がわるい。パソコンのデスクトップ画面は、その名の通りデスクトップであり作業台なのだ。作業台にハサミやら材料やらを出しっぱなしなのがアイコンが散らかっている人だ。
これを解決するのは本当に簡単だ。デスクトップというフォルダを作って、デスクトップ上にあるアイコンやフォルダを全部突っ込んでしまえばいいのだ。必要なときには、また出せばいい
とにかくデスクトップは、作業台なので実際に開けておこう。


探しものをしている時間が長い

ある調査によるとビジネスパーソンは年間200時間を探しものに使っているという。これが事実かどうかはわからないが、確かにオフィスでものを探している人は多い。

パソコンのデータだけでなく、現実の机もキレイにしたいところだ。机が広いほうが仕事の効率は上がるから、余計な物は置かないほうがいい。コンビニエンスストアーでもらったジュースのオマケが好きな人は多いが、あれは行き場もなくなり邪魔な存在になる。ああいったものを増やせ増やすほど、イザというときに必要なものが見つからなくなる。

紙はファイルすると同時にスキャンしてパソコンに取り込んでおこう。実際に必要とするときに紙だと探すのが大変だが、パソコンなら検索もできる。
この場合、エバーノートをオススメする。必要な資料をスマホのカメラで撮影してエバーノートに取り込んでおくと、画像を勝手に解析して文字データとして検索に当たるようになるから非常に便利だ。よほど使わなければ無料プランで問題ないのも良いところだ。とにかく、探しものがすぐに見つかる工夫は常にしておこう。その積み重ねが30分にも1時間にもなる。


あとがき

さて、本書の中に、あなたの実行していないアイデアがあっただろうか。もし、そのアイデアに有効性を感じるのであれば、是非、試していただきたい。アイデアは大事だが、一番大事なのは実行だ。実行しなければ、決して残業時間はなくならない。

本書は10分で読めるシリーズなので、簡単に読み終っていただけたと思う。本書の魅力は、簡単に読み終わることにより、すぐに行動に移れることだ。これが200ページも300ページもある本だと、読み終った時点で、一仕事
やったような気分になってしまい、実際の行動が起こしづらくなる。

せっかく10分で読めるシリーズを、読んだのだから、是非、行動までセットで行っていただきたい。

それでは、あなたが、30分早く帰れるようになることを祈って、本書を締めさせていただく。
読了、ありがとうございました。

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