仕事で大切なことはいつもRPGが教えてくれた。一冊丸ごと無料公開中!

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仕事で大切なことはいつもRPGが教えてくれた


Contents

はじめに

「たしかに、RPGは、人生の縮図かもしれない」

最近インターネット上で、RPGは現実の仕事や人生に役立つという趣旨の記事を、よく見かけるようになりました。
検索エンジンで「RPG 仕事」で検索すると似たような記事がたくさん出てきます。どうやら、最近流行っているようです。

そして、これらが非常に面白く参考になったので、どうして面白いのか理由を考えてみました。箇条書きにします。

- 日常の仕事や人生を、大冒険として捉えられるのでワクワクする。
- RPGが例だから、想像しやすい。
- 想像しなかった共通点に気付かされる。

こういった要素が、RPGをたとえに使う場合あります。

そこで私自身も振り返ってみるとRPGのようなことをしていた思い出がありました。

22歳のころにギターを一本抱えてインドまで貧乏旅行をしていたときの話です。旅の先々の路上で弾き語りをして、多少の収入を得て(お恵み的な感じ)旅を続けていました。自分がこれから向かう町の安宿や交通の情報を、旅行者や町の人から集め、金を稼ぎながら移動していく旅。金が続く限り終わらない旅。
「まるでRPGのようだな」
そう感じたことを鮮明に覚えています。
ギター(武器)、町、宿、インド(ボス兼目的地)旅行者(村人)、このような感じで、感覚的に似ていました。
RPGが仕事、人生に役立つという考え方に強く感銘を受けるのは、この旅の経験があったからなのかもしれません。

さて、本書ではRPGにたとえると面白い仕事のコツや、考え方を紹介します。どのようにRPGが現実で役立つか、なるべくわかりやすい例をまじえて記載します。ちなみに、本書で出てくるRPGは、ほとんど『ドラゴンクエスト』を意識しています。私自身、「狂ったように」やったゲームですし、RPGといえば、これが一番に思い浮かびます。

「日常だってRPGみたいなワクワクした大冒険だ」
本書によって、みなさんの日常が、今までよりも少しワクワクドキドキしたものになったら幸いです。


死ぬとお金が半分になるけど、経験値は残る

RPGの場合

パーティが旅の途中で死んでしまうと、お金が半分になってセーブポイントや、教会に戻されてしまいます。このとき経験値は減りません。レベルが上がっている場合も、そのままです。

現実の場合

「死ぬ」ということをビジネスの失敗と捉えます。

私は以前ネットショップを運営してました。中国から仕入れた商品で激安の音楽プレーヤーがありました。当時、音楽プレーヤーは高額でしたが、当社の商品は従来のプレーヤーと比べて一桁安い価格で販売出来ました。大手WEBサイトのトップページで紹介され、1時間で1000個がすぐに完売しました。これは凄いと思い、すぐに5000個発注しました。このとき私は、出張でアメリカにいました。簡単な商品売れ行きデータは見ることができましたが、社内で相談するということができませんでした。

日本から
「5000個は完売しました。次は何個発注しますか?」
という電話がかかってきました。
データを見る限り、売り切れないためには6万個必要でした。それでも控えめな計算でした。
「6万個でお願い。」
電話で、そのように指示しました。
そして日本に帰って販売データを見ると、5000個が売り切れるスピードが、最初の1000個ほどではありませんでした。相当にペースが落ちてました。嫌な予感がしました。
正直、このデータなら発注数量は3万個が適正です。
結果的には在庫があまってしまって、大損はしなかったまでも本当は得られるはずの利益を失いました。

しかしこのとき失敗によって、お金を失いましたが発注失敗という経験が残りました。それ以来私は、仕入れ数量決定の前には5分時間を置くという自分ルールを作りました。また、中途半端なデータを見て軽率に判断しないという教訓も得ました。
このあとは、同じようなミスをしていません。レベルは上がったのです。

このように、死んでも(失敗)経験値は残ります。

たとえば、会社を経営して潰してしまったとします。お金は半分どころか全部失ってしまうかもしれません。経験は残りますけど、そこまでお金がなくなってしまうと、RPGとは違い現実世界では大変ですね。

死ぬとお金が半分になるけど、経験値は残る

現実では、死ぬ(失敗)ときの損害と、経験値を天秤にかけて冷静に行動しないといけません。そういった戒めの言葉でもあります。


本当に強い武器はお店で売ってない

RPGの場合

伝説の剣は、お店では買えません。大抵、困難なダンジョンの奥深くにボスに守られて眠っているものです。

現実の場合

仕事でも、本当に良い商品(強い武器)は簡単に仕入れられません。以前、私は商品を中国から仕入れていました。中国から商品を仕入れるのは、なかなか難しいことです。詐欺師にダマされてお金だけ取られることもあります。ただ、そういった中から仕入れるからこそ、他社にはない個性的な商品だったり、圧倒的に安い商品を仕入れることができました。競合他社に勝つ武器になったわけです。
日本国内の一般的な企業からの仕入れなら簡単です。お金を出せば、まず間違いなく売ってくれるし詐欺の可能性も低いです。そのかわり競合他社との戦いに勝つ武器にはなりません。なぜなら、他社も簡単に仕入れることができるので、同じ商品を持っているからです。商品での差別化はできないのです。

ビジネスにおいて買いやすいものは大抵ダメなものなのです。特に営業マンがせっせと売りに来るようなものは商売になりにくい。良い商品じゃないから必死に売り込みに来るわけですし、営業力があるなら、ほかの売り場にもすぐに並ぶからです。

あなたが買いやすいということは、競合他社も買いやすいのです。


転職するとレベル1にもどるけど、魔法は忘れない

RPGの場合

ある程度成長すると別の職業に転職することができます。その場合レベルが1に戻ります。ただ、覚えた魔法は忘れません。

現実の場合

会社を転職すると、社内での評価は一から作りなおさないといけません。面接でいくら評価されて入社しても実際に、どうかは働いて見せなければ伝わりません。しかし、前の職で、培ったノウハウ(魔法)は忘れていません。レベルは1に戻っても全部がなくなるわけじゃありません。

また、業種を変わった場合も同じことが言えます。営業職から総務になったとします。総務になると社外の人に会うこともないですし、培った人脈を活かす機会はほとんどありません。しかし、営業をしながら得たコミュニケーション能力は社内の人にも使えます。いろいろな人から話を聞いて社内の問題を発見して総務で解決することができます。

様々なシチュエーションで使える、定番魔法(ノウハウ)を身につけておこうという教訓でもあります。


復活の呪文は丁寧にメモする

RPGの場合

昔のRPGは冒険の記録をパスワードで保存していました。作品よっては50文字程度の文字列を、しっかりとメモして、ゲームを再開するときに入力する必要があります。この文字列を誤ってメモしてしまうとゲームが再開できません。以前に書き留めた場所まで戻ってゲームを再開するしかありません。

現実の場合

誰が見てもわかるように仕事の記録をとっておきましょう。誰かに引き継いでも、すぐにできるようにマニュアル化しておきましょう。状況がわからないから一からやったほうが早い、というようなことが起こると非常に無駄です。


攻略のヒントは会話から

RPGの場合

次に、どこにいけばいいのか?
そういったヒントは基本的に人と話すことによって得ることができます。

現実の場合

以前、物流コスト削減に取り組んだときのことです。まず、現場の意見を聞いてみました。
「忙しいときとヒマなときがある」
「無駄な動きが多い気がする」
そういった意見をもらいました。

これをもとに、忙しいときの業務をヒマなときでも行えるようにし、無駄な動きの正体である、商品配置の悪さを解決しました。すると、物流コストは大幅に下がりました。

また、他社の社長さんにも話を伺いました。
「御社の運送会社に払っているコストは高い。もっと下がる」
そう、教えていただきました。
それをもとに、運送会社と相談したところ、劇的なコスト削減ができました。
ほかにもいくつかの施策をしましたが、年間3000万円以上のコスト削減ができました。会話から得たヒントで、物流コスト削減というミッションを攻略できた瞬間です。


登場人物全員に話を聞いたほうが損がない

RPGの場合

本筋とは関係ないが、便利アイテムや、ゲームのコツなどを村人たちが教えてくれる。

現実の場合

いろいろな人にアイデアを求めてみましょう。聞くのも難しくないし、基本的にタダなので。意外な事実やコツが見えてくる場合があります。特に現場の意見は大切です。彼らは生の情報を持っていますので、役にたつことが多いです。

反面、RPGと現実の違うところがあります。
現実では、かなり役に立たないことを言う人もいます。あなたの冒険(仕事)を邪魔するようなことをいう人もいます。
意見を集めるのはいいのですが、そのとおりに動くかどうかは、しっかりと考えないといけません。RPGではヒントはすべてこなしていったほうが得ですが、現実は少し違うので注意が必要です。


体力、魔力、回復アイテム、お金などの自分のステータスを把握しておく

RPGの場合

ダンジョン内では自分の状態を常に把握しておく必要がありますね。魔力が減ってきたり、回復アイテムがなくなってきたら、もうボスには勝てないので一度村に帰るという判断をするときもあります。宝箱でたくさんのお金を見つけた場合も、一度村に帰って銀行に預けたほうがいいです。死んだら半分になってしまうし。

現実の場合

現実でも自分の今の状況をしっかりと把握しておくことが重要です。

体力、魔力に相当するものは、体力とストレス度ですね。本当に睡眠不足などで体力が落ちてないか、過度なストレスで心が弱ってないか、病気になってしまうと、一番効率悪いです。

お金は、会社のお金ですね。キャッシュフローや、決裁範囲、予算と言えます。

RPGのどの要素が現実で何に当てはまるかは自分なりにしっくりいくものを考えていただければいいとして、現状をしっかりと把握することが大切なのはRPGでも現実の仕事でも同じだということです。


キャラクターごとに、長所と短所がある。だからゲームが面白い

RPGの場合

勇者がいて、戦士がいて、魔法使いがいて、僧侶がいる。いろいろな長所と短所を持った仲間がいて、それを組み合わせながらうまく勝てるようにしていくのがRPGの醍醐味の一つです。魔法使いは体力が低いけど攻撃力は高いから、戦士に守らせよう。でも戦士は自分で回復できないから僧侶に回復させよう。僧侶も体力低いから、そこも戦士に守らせよう。勇者は比較的万能だから、守り、回復、攻撃で、一時的に手が足りなくなったところを助けよう。こんな具合で、いろいろと組み合わせながら作戦を考えるところに面白さがあります。

現実の場合

柴田くんは販売が得意だから、ガンガン販売をやらせよう。でも、数字は苦手で値引きしすぎるから、売価は数字に強い木下くんに決めさせよう。でも、木下くんは女好きだから女性の部下はつけられない。女性の部下は明智くんのチームにいれよう。彼はコンピューターが得意なのでWEBを作ってもらおう。それなら行儀にこだわりすぎて神経質な性格も、細部へのこだわりとして、良い方向に結果が出るだろう。

現実の世界も、能力や性質の異なる仲間を、うまく組み合わせて、役割分担して成果を目指します。人の短所を嘆くより長所が最大限に発揮できるように短所をカバーしあうことが大切です。するとRPGのように仕事が面白くなります。また、短所を治そうと思っても、大抵はうまくいきません。戦士が魔法を使えるようにならないのと一緒です。それよりも長所をさらに強化したほうがいいです。

人それぞれ、長所と短所がある。だから人生が面白い。


稼いだお金で強い武器、防具を買う

RPGの場合

普通はRPGにおいて、お金の使い道で一番重要なのは武器防具の購入です。これで強くなって、さらに強い敵と戦ってレベルを上げながら、また強い武器防具を買うというルーチンです。

現実の場合

現実もこれと同です。稼いだお金は、自分が強くなるために使いましょう。本を読んだり、ビジネス学校に行ったり、社会勉強のために、海外に行ったり、資格を取ったり、ビジネス能力(武器)を成長させるために使いましょう。すると、より多くのお金を得ることができますので、さらなる強力な武器を得るための投資が可能になります。お金はなるべく無駄に使わないで、武器防具を買ったほうが攻略への効率が良くなるのは、RPGも現実も同じです。


目的があると仲間が集まる

RPGの場合

たいてい、RPGの場合、勇者は魔王を倒しに行きます。そして旅の途中で、その目標に賛同する仲間が集まって、パーティを作って旅をします。

現実の場合

やはり実際の仕事でも目的を持っている人に仲間が集まってきます。それは会社で言えば、企業理念だったり、ビジョンだったりするわけです。

私が、これを強く体感したのは自分で会社を起こしたときです。私は「漫画」をテーマに会社を起こしました。いったん、「漫画」というビジョンを掲げた途端、協力してくれる仲間が次々とあらわれました。

ビジョンあるところに、「導かれし者たち」が集うという構造は、RPGも現実も同じなのです。


王様は魔王退治を依頼するけど、ほとんど金は出さない

RPGの場合

「勇者よ、世界を魔王から救ってくれ」
王様は、まだ10代の勇者に、こんな大事業を頼みます。だったら、さぞや大きな支援をしてくれるのかと思いますが、最初にちょっと、お金をくれるくらいで、そのあとは何もしてくれません。旅のあいだのお金は全部面倒見てくれもいいんじゃないかと思いますが、基本的には何もしてくれません。

現実の場合

私は20代前半のころ、中国で新規事業の開発をしていました。日本で成功させたビジネスモデルを、海外にも輸出しようとしたのです。まだ若い私は必死に営業活動をしましたお客様も増えて少しずつ注文が入るようになってきました。
そこで一つ問題が起こりました。お客様から売り掛けをして欲しいという要望があったのです。相手は、日本企業で、誰でも知っているような会社です。売掛金の規模も数百万円ですから無理な話ではなかったと思います。
しかし社長は、リスクが高いと言って、それを受け入れませんでした。それでビジネスは伸びなくなってしまいました。
社長に言わせれば、いろいろな理由はあるでしょうし、今となれば私自身も、原因を想像できます。また、売り掛けをしないアプローチもあったと思います。

ただ、こういったケースは、その後も度々ありました。
「新規事業を起こせ」
とはいうものの、金はほとんど出さないのです。

もちろん会社にしてみれば、私自身の人件費などもかかっていますので、投資していないわけではないです。

ということで、私は、会社の社長はRPGの王様と同じようなもので、「新規事業という大ボスに向かわせる割には金は出さないな」と考えるようになりました。

ちなみに、お金を出さない新規事業が悪いと思っているわけではありません。事実、このスタンスで大成功した事業も生まれました。リスクが少ない分、試行回数が増えるので、これはこれで効率の良いやり方です。自分自身が会社を経営するようになっても、この方法を用いています。


コツコツしたレベル上げをしないと先に進めない

RPGの場合

ある程度物語が進むと強い敵が出るようになって、なかなか倒せなくなる場合があります。そのときにはレベル上げが必要です。コツコツ、町の周りをウロツキながら敵を倒して経験値をためるのです。

現実の場合

仕事をしていて、自分の成長が止まってくるときがあります。スランプのような状態です。新しいことを始めたときは、人間は一気に成長します。少し慣れてくると停滞します。そこで壁を突き破るためには、地道にコツコツと目の前の仕事を極めることが大切です。また、ビジネスマンとしての基本スキルを見直すことも重要です。スケジュール管理や、整理整頓、聞き方、話し方、などです。そういった地味なレベル上げなしには先に進めません。停滞したら、コツコツレベル上げ。RPGと同じです。


自分は「はい・いいえ」だけで、相手の話を聞く

RPGの場合

RPGでは、主人公が話さない作品があります。話しかけるけど、自分からは基本的に話をしません。ものすっごい無口です。たまに、「はい・いいえ」だけで、意思表示をします。

現実の場合

さすがに「はい・いいえ」だけで会話するのは不可能ですが、自分の考えを語るより、相手の考えを聞いたほうがよいということです。相手の話を中心に聞けば、情報は増えるし、相手からの信頼感が上がります。人間は自分の話を聞いてくれる人を「よくわかっている人」として評価します。
聞いて、聞いて聞きまくる。

自分をRPGの主人公だと思って、話を聞きまくって見てはいかがでしょうか?


今、開かないドアでも、いつかはカギが見つかる

RPGの場合

冒険を始めたころ、開かないドアが目につくことがあります。今、持っている鍵では開かないドアです。どうも、その先には宝箱が見えているし、階段らしきものもあります。すっごく気になる。でも行けない。ただ、これは物語が進んでいくと、鍵が手に入り開けられるようになります。結構、重要なアイテムとか入ってるんですよね。

現実の場合

今できないことも、いつかできるようになる。これは実際にはゲームのように100%ではありません。

私は売上アップのためにある商品の価格を下げたいと思っていました。しかし、現状では仕入価格が下がらないので、売価も下げることができませんでした。とはいえ、どうしても、実現したい。そう考え、定期的に可能性を探っていました。
すると、半年ほどたち原材料の価格が下がりはじめました。予想通り商品も安く仕入れることができました。

また別のケースもあります。

商品の物流効率を上げるために物流システムを開発したいと考えていました。しかし社内にプログラマーもいないので、お手上げでした。しばらく時間がたってからプログラマーが入社しました。当時できなかった、システム開発ができるようになって、効率が上がりました。

ここでのポイントは、できなかったことを記録しておくということです。
いいアイデアもそのとき実現できないと意外と忘れてしまいますので、メモして月に一回くらい見直すことをオススメします。
「昔できなかったけど、今できるかも」リストです。


世界平和のために戦っていても、武器屋、道具屋、宿屋で金をとられる

RPGの場合

勇者は世界の平和のために戦っています。なのに、武器屋とか道具屋とかでお金を普通に取られるわけです。割引もないし。

現実の場合

これを、実際の仕事でたとえると、どんなに社会貢献になるすばらしい仕事をしていたとしても、お客さんが割高なものを買うことはない、ということです。

フェアトレードのような商品はありますが、やはり市場規模は小さいです。基本、消費者は自分が得するようにお金を使います。

社会貢献に酔って、顧客を軽視するなかれという教訓になります。


レベルの高いパーティーでレベル1を育てると簡単

RPGの場合

レベルの高いパーティに一人だけレベル1を入れて、ちょっと敵が強い場所に行って経験値を稼ぐと、レベル1のキャラクターのレベルはすぐに上がります。

現実の場合

レベルの高い組織に入ると周りに見習う人が多くて、ビジネスマンとしてすぐに成長できます。できるかぎりハイレベルな人のいる組織に入ったほうがいいです。逆に、低レベルな、要するにやる気のない人たちのグループに入ると、自分のレベルもどんどん下がります。やる気は、高いにしろ低いにしろ伝染しますから。


セーブはこまめに。

RPGの場合

ゲームをやっている最中に、間違ってゲーム機に触ってしまって
「あー、保存してないー」
みたいなこと、よくありますよね。これを防ぐためには、こまめにセーブしておくことが大切です。

現実の場合

エクセルとかテキストとか、こまめに保存しましょう。バックアップもこまめにとりましょう。データがなくなってからでは遅いです。これは、本当にゲームと全く同じことです。


回復係が必要

RPGの場合

パーティには大抵回復役を入れます。減った体力を回復してくれる僧侶や白魔道士たちです。継続して戦うには、どうしても回復係が必要です。

現実の場合

人間関係の回復係が必要です。チームで働いていると意見がぶつかったり、ついつい熱くなってしまって、人間関係に亀裂が入ってしまうことがあります。そういった状態を回復するのが上手な人がいるとチームは持続的に活動していけます。
「ちょっと、みんなで飯食いに行こうぜー」
なんて、自然に切りだしちゃう人です。もしチームにそういう人がいなかったら、あなた自身がなってしまうのもいいですね。
仕事は妥協しないけど、人間関係は良いに越したことはないです。


バランスのいい定番パーティがある

RPGの場合

勇者、戦士、僧侶、魔法使い。作品にもよりますが、このような定番パーティがRPGには存在します。初心者でも攻略しやすいパーティです。

現実の場合

事業の種類によって定番のメンバーがあります。

たとえば、ネット通販なら

WEBデザイナー、プログラマー、サポート、物流、バイヤー、セールス、経理。です一人が複数のポジションを兼任してもいいですが、ポジションとしてすべて必要です。

アプリビジネスなら
プログラマー、グラフィックデザイナー、プロジェクトマネージャー、マーケティングマネージャー、データアナリスト、テクニカルアシスタント、会計士、弁護士です。

このように、大抵のビジネスには業界標準の最低限必要なメンバーというものがあり、それを軸に考えると、どういったチームを組むべきか考えやすいです。どの要素を誰が兼任するのか、あるいは、何かを省くことによりビジネスのユニーク性を出すのか。

大事なことは、定番パーティ通りにするのでなく、定番パーティを参考にすることです。


ダンジョンに行く前にはちゃんと準備する

RPGの場合

新しいダンジョンに入る場合には、まず宿屋に泊まって全回復させます。そのあと、お金に余裕があれば武器を買ったり、回復アイテムを買ったり。無駄なアイテムを売って道中で手に入れるアイテムを持つ余裕もほしいですね。準備を、ちゃんとしていればダンジョンクリアの可能性は高まります。

現実の場合

新しい仕事に取り組む場合には必ず、ちゃんと準備するべきです。たとえば、商談があるとします。商談の前日には、相手の会社情報、商談資料、話の持っていきかた、落とし所、などなど様々な準備をします。準備がしっかりとしていれば、商談成功の確率は高まります。


経験値を貯めると、レベルがあがる

RPGの場合

ある程度、経験値をためるとレベルが上がります。レベルが上がると、体力や知力などの各種ステータスが上がります。

現実の場合

仕事をしていくことによって、経験値が溜まっていきます。毎日の変化はわずかですが、着実に仕事力は上がります。
逆に、自分のビジネスマンとしてのレベルを上げたい場合は、アウトプットを増やして経験をためればいいのです。アウトプットが多い人ほど、経験がたまるのが早いので、レベルアップが早くなります。とくに失敗は大きな経験値になりますので、恐れずにやりましょう。


何度聞いても同じ話をする人がいる。

RPGの場合

村や町の中に、ずっと同じことしか言わない人がいますね。プレーヤーは自然と、そういう人を無視するようになります。2回話して同じことしか言わなかったら新しい情報を得られないことがわかるからです。

現実の場合

社内で、いつも同じ話をしている人がいたら、誰だって、その人と話す気を失いますよね。ポイントは自分が、そういう人にならないように気をつけることです。いつも新鮮な情報を持って、聞かれたら、違った事例やネタを披露する。
そんな話す価値のある人になるには、日々の読書が効果的です。本を読んでいる人は、話に具体性があり、事例があり、引き出しが多くなります。
もちろん、朝令暮改で言うことが、コロコロ変わるのはよくないです。


説明書に攻略法は書いてない。

RPGの場合

説明書には、操作方法や、ゲームを進めるヒントは書かれていますが、攻略法や物語の核心は記載されていません。

現実の場合

学校と違って仕事にマニュアルはありません。いくら本を読んでも、人に聞いても、実際に自分でやってみないと答えはわかりません。攻略法は自分で見つけるしかないのです。
答えばかりを探して、いつまでも動けないなんてことありませんか?
物事を実行する前に答えが見つかることはありませんから、それでは一生動けずに終わってしまいます。
反面、ヒントはあります。人や本、歴史のなかにはたくさんのヒントがあります。ある程度ヒントを集めたら、あとは行動でです。


ラスボスは必ず変身する。

RPGの場合

ラスボスは、やっつけたと思うと変身したり、新しいやつが出てきたりします。体力を使い切ってると対応できません。

現実の場合

仕事は仕上がったと思っても、そのあとに問題が見つかるものです。そういった不慮の事態を想定して余力を残しておいたほうがいいですね。


魔力は寝ないと回復しない

PRGの場合

魔法を使うための魔力は、宿屋で寝ないと回復しません。アイテムで多少回復できる場合もありますが、大抵そういったアイテムはハイコストなわりに、少ししか回復しません。

現実の場合

思考力や忍耐力は、睡眠を取らないと回復しません。寝てないとしっかりと物事を考えることもできなくなりますし、イライラしやすくなったりして、粘り強く実行することもできなくなります。
エナジードリンクなどで一時的に回復できるのもRPGに似ているところです。多少回復するし、普通の飲み物よりちょっと高いところが似ていて面白いです。
そう言えば以前、「ポーション」というエナジードリンクがありましたね。


速さ+別の能力(力や魔法)を兼ね備えたキャラクターは強い

RPGの場合

素早い僧侶や武闘家などが非常に役立ちます。先制攻撃で、ダメージを受ける前に敵をやっつけたり、瀕死の仲間をすぐに回復したりできるからです。

現実の場合

仕事の質も大切ですが、やはり速いということは有利です。

たとえば上司が資料作りを納期5日でお願いしたとします。明智くんは、しっかりとしたものを作り納期ギリギリで上司に提出しました。それを見た上司は、ちょっと自分の意図と違うと言い出しました。明智くんは、そこから作り直し、徹夜もしてさらに3日後に完成させました。合計で8日かかりました。

木下くんは1日でざっくりしたものを作り上司に提出しました。上司は、少しイメージと違うといいました。木下くんは、それに合わせて資料を作りなおしました。何度かやり直してを得て5日目には完成しました。

少し極端な例ですが現実でも、このようなことは多々見かけます。

そして、この速さに加えて別の能力もあると、最早鬼に金棒ですね。

木下くんの資料は速さに合わせて、見た目も美しいものでした。彼はパワーポイントが得意だったのです。

それほど大きな話ではないですが、こういった部分で少しずつ差がつきます。


慣れた場所では経験値が足りなくてレベルアップしなくなる。

RPGの場合

レベルが上がるごとに、次のレベルに必要な経験値がどんどん大きくなっていきますので、いつまでも同じところで敵と戦っていてもレベルは上がらなくなります。

現実の場合

余裕でこなせる仕事ばかりをやっていても経験値がたまりません。1年前と同じ仕事を同じようにやっているなら、最早レベルアップはとまっています。次の場所に行って、もっと強いモンスター(仕事)と戦わなければいけません。


経験値が高い銀色のあいつは、すぐに逃げる。

RPGの場合

経験値の高いモンスターと言えば、「メタル系のスライム」ですね。やつらは非常に高い経験値を持っているのですが、すぐに逃げてしまってなかなか倒すことができません。

現実の場合

こういった言葉があります。
「幸運の神様には前髪しかない」

幸運には後ろ髪がなく、あとから追いかけて行っても掴むことができないという意味です。見えたらすぐに掴まなければいけません。ノンビリとしていたらチャンスを逃してしまいます。

では、チャンスを掴むにどうしたらいいか。
しっかりとした準備をしておくことです。いつチャンスに遭遇しても対応できる準備です。ゲームであれば、聖水などを用意して「メタル系スライム」を倒す準備をしておきますね。それと同じことです。いつチャンスが来ても、たとえ真夜中にチャンスが訪れてもいつでも動ける準備が必要です。


あとがき

「行け勇者よ!世界のために」

私たちビジネスマンの日常は、ともすれば味けないものになってしまいます。毎日、毎日、同じ仕事の繰り返しで自分が成長しているのかどうかもわからない。
しかし、そんな日常も少し見方を変えれば、「大作RPGのような大冒険」なのです。

王様(社長)の期待を背負って未開のダンジョン(新規事業)に挑み、荒野(社外)には、モンスター(競合他社)たちがうごめく。気を抜けば死んでしまう(大損)。いろいろな魔法(ビジネススキル)を覚えながら仲間(同僚)を集めて、ついにはラスボスを倒す(仕事の成功)。

少し見方を変えれば、こんなにも仕事は楽しいものです。

では、読者の皆様がラスボスを見事打ち倒すことを祈りながら、本書を締めさせていただきます。読了、ありがとうございました。
仕事で大切なことはいつもRPGが教えてくれた

平田学


電子書籍版の購入はこちらから。内容は同じですが、電子書籍なのでだいぶ読みやすいと思います。


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